月の輪通信 日々の想い
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小学校参観日。 本当は火曜日の予定が台風のせいで今日に延期になっていた。
5年生、国語の詩の授業。 黒板に、T先生が丸や四角の空欄をたくさんまじえた一編の詩を書いて、子ども達がグループごとに話し合って、その空欄を埋めていく授業。 子どもらはああでもない、こうでもないと、まるでクイズにでも答えるように虫食いだらけの詩を組み立てていく。畳み掛けるようなスピード感のある問いかけと子どもの好奇心を微妙にくすぐるヒントで、知らず知らずのうちに知的な遊びの楽しみに引き込まれていく魅力的な授業だった。 一つの作品をこうしてたくさんの子どもが一緒に読み解いていく、ゲームのような楽しさは、一人で本を読んで理解するのとはまた違った醍醐味があるなぁと思う。 その昔、私が中学の時に教えていただいた国語の先生も、こういう活気のある読解の授業がとてもお上手な先生だった。 この先生の鮮やかな授業に魅せられて教職を私は志したが、結局たった数年、養護学校の常勤講師として務めただけで結婚退職したので、一度も「国語の授業」らしい授業は経験できなかった。 教職を辞めて家庭の主婦になったことを悔いた事はないけれど、子どもの参観などで充実した上質な国語の授業を見せていただいたりする機会があると、「ああ、国語の先生になりたかったなぁ。」と思ったりすることがある。 今日もそういう授業。
一年生は、生活科でシャボン玉の授業。 炎天下の運動場にぱっと散っていった一年生が、思い思いにシャボン玉を飛ばす。一年生というのはまだまだシャボン玉遊びがよく似合う年齢なんだなぁと思う。 担任のM先生が、子ども達の前で団扇の骨組みを使って一度にたくさんのシャボン玉を作って見せた。 いつもしっかりした生真面目な授業で厳しい先生という印象のM先生が、くるりと小走りに輪を描いてふわりと小さなシャボン玉をたくさん宙にとばすと、子ども達がわぁっと声を上げて先生の周りに駆け寄っていった。 ああ、いいなぁ。 先生っていう職業の美味しい美味しい蜜の時間。
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