月の輪通信 日々の想い
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アプコ、7歳の誕生日。 ちょうど帰省の日程と重なったので、恒例の「ろうそくフーッ!」はおばあちゃんちの近くのケーキ屋さんでケーキを買って、加古川のおじいちゃん、おばあちゃんや、おじちゃん、おばちゃん、ちいさい従妹のYちゃんたちにも一緒にも祝ってもらう。 大勢で歌ってもらえる"ハッピーバースディ"は、格別嬉しい。 おめでとう、アプコ。
おばあちゃんちへ向かう途中、アプコの御所望で須磨の水族館へ行く。 私の子どもの頃には、しょっちゅう学校の遠足で行ったところだし、オニイやアユコも小さいときには一度は連れて行ったところ。 本当はアプコもベビーカーに乗ってる頃に来た事があるはずなのだが、まるっきり覚えていないという。 私には、前に来たとき、幼いアプコが着ていたチェックのジャンバースカートのとやら、展示室の暗いところをアプコが怖がった事、イワシの群れの遊泳を見てアユコが綺麗ねぇとため息をついた事など、鮮やかに思い出されるというのに、7歳になったアプコにとっては、ここははじめての場所なのだなと思い至る。 兄弟が多いと、それぞれの年齢に応じて同じ遊園地へ行ったり、同じようなイベントに参加したりするたびに、「また同じ場所か・・・」と思う気持ちもあるけれど、一人一人の子どものとってははじめての場所、初めての経験、初めての楽しさなのだ。
ザブザブと水しぶきを浴びる前列で賢いイルカ達のショーを観たアプコ。 感激して「賢いねぇ。イルカって可愛いねぇ。」と何度も繰り返す。 「お家でイルカが飼えるといいなぁ。」とため息をつくアプコに、 「水族館の人に頼んで、おじいちゃんちの鯉の池で飼えないか聞いてみようか」と冗談を飛ばす。 ああ、この冗談もたしか以前にアユコと一緒に来たときに、同じようにどこかで言った記憶がある。 「だめ、だめ。おじいちゃんの池は小さすぎて、イルカが困ってしまう。」 あの日のアユコと同じように、生真面目に否定するアプコはやっぱり「始めてのアプコ」。 この子自身の新しい「今日」を、楽しんで、味わって、生きているのだという事がよく分かる。
それぞれの子が、単なる繰り返しではなく、それぞれの「今日」を生きているという事。 それだからこそ、母にとっては、一回一回が新しい「今日」なのだ。 ありがたい。
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