月の輪通信 日々の想い
目次|過去|未来
夏休みに突入して、どっと増えたこと。 洗濯機でざぶざぶ洗うタオルの枚数。 三度の食事のたびに炊くお米の消費量。 「かたづけなさい!」「ごろごろしない!」「パソコン中止!」と繰り返す小言の数。 そして、日に何度も沸かしては冷ます冷茶用のお湯の量。 昨日はついに一日に5回、お茶を沸かした。 「ただいま!」と帰ってきては、冷蔵庫に直行、がぶがぶと流し込む冷たいお茶。炎天の元、外出する子どもたちには水筒のお茶も必需品だ。
「そろそろ、なくなる頃じゃないの?」と実家の母から電話が掛かってきたのはつい数日前のこと。 そして今朝一番に、実家からの待望の小包が届いた。 子ども達の喜ぶ小さなお菓子をよけると、包みの奥から出てくるのは大きな枕のようなビニルの包み。 神戸南京街のプーアル茶の茶葉の包みだ。 我が家の冷茶は昔からずっとこのプーアル茶。実家の母がわざわざ南京町で買って送ってくれる。決して上等のお茶ではなくて、1kgの大袋が1000円ちょっとの徳用品だ。このお茶っぱは、ほんの一つまみでやかん一杯分のお茶が取れるので、たくさん使っても大袋ひと袋で数ヶ月の使い出がある。 近所でも、よく探せばティーバッグになったプーアル茶を店頭でみかけることもあるけれど、やっぱりたっぷり入った大袋からざっくりと大雑把にすくって使う気軽さがいい。 だから小出し用の茶筒の残りが少なくなると、「お母さん、そろそろお願い!」とおねだりの電話をする。母のほうも心得たもので、買い物のついでにいつも同じ店の同じ包みの買い置きしておいてくれたりする。 毎日毎日子ども達ががぶ飲みするお茶のほぼ全てを、母が送ってくれるこのプーアル茶でまかなう。
「アプコのプールは今年も皆勤だ!」 「オニイは学校、アユコは習字に出かけてる・・・」 「ゲンはまた虫取りに行っちゃったよ。」 あちこち飛び回って忙しい夏をすごす子ども達も成長を、遠くからそっと見守って、「そろそろ、なくなる頃でしょう?」と定番のお茶の心配をしてくれる。そんな母の心遣いが嬉しい。 新しいお茶っぱの封を開ける。 香ばしいお茶の香りと共に、実家の両親と我が家の子ども達を結ぶ穏やかな暖かい絆を想う。 有難いと思う。
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