月の輪通信 日々の想い
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昨日のドライブのときの事。
父さんの車についているナビの調子が悪い。 時々、画面が全く表示されない事があって「ディスクを確認してください」と指示が出る。 どこかの接触が悪いか、なにかだろう。 父さんのナビは既に5年目。入れてあるディスクも99年版とあるから、時には新しく出来た道路が表示されていなかったり、混雑状況までは教えてくれなかったりする。 普段、近隣を走ることが多いので、本当にナビを頼って目的地を探す事はめったにないのだけれど、たまに必要だなというときに限って、ナビさんのご機嫌が悪くて、「ディスクを確認してください」と宣う。 なんどかCDを出し入れしてみたり、スイッチを入れなおしたりしてみるが、なかなかいつもの地図の表示が出てこない。 「ま、いいや、」と渋々、リアシートから分厚い地図帳を引っ張り出してくる羽目になる。
法隆寺までの最短コースを知りたくてさっそくナビをと思ったのだけれど、今日もやっぱりナビさんはストライキ中らしい。 助手席に乗っている人力ナビの私は、残念、地図が読めない女。 「ちょっと持ってて」と渡された地図をひっくり返したり裏返したりしているうちに、すぐに現在地を見失ってしまう。そのうち「もういいや。」と父さんが笑い出してしまい、地図無しで父さんの勘と方向感覚に任せて車を飛ばす。 結局これが一番確かだったりして・・・。
大体、カーナビってとっても高飛車で失礼。 「調べてやったんだから、ちゃんとその通り走れよ」って口調だもの。 違った道を選ぶとチッと舌打ちして「またかよ。」ってな具合で「再検索いたします」なんておっしゃる。 新しく出来たばかりの道を通ると、「そこ、道路じゃないよ。」とばかりに慌てふためく。 自分の持ち合わせているデータが5年も前の古いデータだということに気づきもしないで、「この行き方で間違いないんだから」といつも自信満々。 そのくせ、新しく覚えた情報は自分から取り入れようとはしないんだ。 これって、誰かに似てる?
半日ドライブする間中、父さんのナビは青い始動画面のまま、何の情報も表示してくれなかった。 あちこちまわって帰り道で買い物をして、自宅の近所の磐船街道まで帰ってきたとき、ふと気がつくと、ナビの画面がいつの間にかなじみの地図の画面を表示している。 「あれぇ。今頃、直ってるよ、このナビ。」 と父さんと笑う。 「知ってるところへ帰ってきたら急にやる気、出したんだな。」 「ふふ、こんなご近所で道案内してもらってもねぇ。あ〜あ、使えないナビだなぁ。」 と可笑しい、可笑しい。 知らない話題の時にはむっつり押し黙っちゃって、知ってる話題になると俄然元気になってペラペラしゃべりまくる。 これって、確かに誰かに似てる。
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