月の輪通信 日々の想い
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2005年05月08日(日) 剣道試合

昨夜のバーベキューの名残を振り切って、朝からオニイとゲンの剣道の試合。ゲンは小学校高学年の部で個人戦と団体戦に、オニイは中学生の部で個人戦に出る。
送迎応援要員の母は、昨夜のお疲れでねむねむモード。試合前の長〜いご挨拶や合同の素振りの間、道場の人ごみにまぎれてコックリコックリ居眠りをする始末。
立ったまま、居眠りするなんて、ほんとに久しぶり。

ゲン個人戦。
一回戦、辛勝。
2回戦、小手を一本とって、引き分けたままずいぶん長いこと粘っていたが、最後は面をとられて惜敗。
試合が終わってもしばらく口を利かず、一人離れたところで面をはずして、汗を拭く振りをしながら面タオルでごしごしと涙をぬぐってるゲン。
よほど悔しかったらしい。
ようやく顔を洗って戻ってきたと思ったら、同じ道場の友達が2回戦を勝ち抜けたところに出くわして、悔しさ再燃、またどこかへ姿を消してしまった。
ぐいと歯を食いしばり眉根を寄せて涙をこらえるゲンの後姿は、なんとも少年らしくていい。
横でSくんのおかあさんが「みてるだけでこっちまで胸がきゅんとなっちゃうね。」と言ってくれたけれど、ほんとにそんな感じ。

オニイ、個人戦。
一回戦。前回の試合のとき、格違いの偉丈夫に初戦であっけなく敗れたオニイ、今回は体格的にもそれほど遜色のない相手に危なげなく一勝。
二回戦で、かなり競り合って健闘したが、惜しくも敗れた。
体も小さく、こつこつまじめに稽古に通っている割には飛躍的に強くなるという経験のないオニイだが、体つきも技も、そしてちょっとハスキーな掛け声もすっかり男らしい大人びた成長振りが見える。勝ち負けは別として、ずいぶんうまくなってきたなぁと感じる。傍らで見ていたゲンが、「お兄ちゃんカッコええな。」と普段使わないほめ言葉を漏らした。
接戦の末敗れて帰ってきて、「勝てない相手じゃなかったんだけどな。」とさばさばと面をとり、汗だくの髪をもしゃもしゃかきあげる仕草はいかにも「男だな」という感じ。

ゲン、団体戦。
ゲンは4〜6年の5人の混成チームの中堅(3番目)で戦う。
発表された相手チームのメンバーを見てみると、ゲンの相手は奇しくも個人戦の2回戦で敗れた同じ人。
「勝てないかも・・・」と弱気になるゲンに、「団体戦なんだから、ほかのみんなのためにも絶対勝とうという気でいなければ・・・」と叱咤激励。
先鋒次峰が一敗一分けで、ゲンの出番。ゲンの悔し紛れの勢いあふれる健闘で何とかチーム初白星。
副将のS君は、なかなか決まらず引き分け。
大将のY君は、個人戦上位入賞の女の子剣士に歯が立たず、敗れる。
結果、一勝2敗2引き分けで一回戦、敗退となった。

試合終了後、大将のY君が激しく嗚咽している。その横で、チーム唯一の白星をあげたゲンまでがふたたびごしごしと涙をぬぐっている。
美しいチームの友情に周りのおかあさんたちと感動してみていたら、どうやらYくんは「女の子に負けたのが悔しい」と泣いていたらしい。
そして、ゲンもまた、宿敵相手に念願の一勝を得た嬉し涙でもなく、チームの敗北が悔し涙でもなく、「試合中に腕の内側を思いっきり打たれてめちゃめちゃ痛かってん」という。
なんだい、なんだい。
感動の名シーンかと思ったら、涙の真相はそんなモンですか。
それとも二人とも照れ隠しのいいわけだったのかなぁ。

あとで、道場のI先生が、泣いている二人に挟まれて、一人さばさばしらけた顔をしていたSくんに、「ゲンがあれだけがんばって一勝してくれたんだから、『俺も一本決めてやる』くらいの勢いでかかっていかなくてどうする!ましてや相手の大将はなかなか勝てる相手じゃないんやから、チームの勝敗は副将のお前のがんばりにかかってたんやぞ」とお説教をしていた。
確かにS君の相手は、勝てない相手ではなかったし、その戦いぶりにもなんとなく覇気がないように見えた。
でも、今、派手に涙をぬぐっているゲンもYくんも、決してチーム全体の負けの悔しさだけで泣いているわけじゃなさそうですから。
残念!

帰り際、久しぶりにお会いした老剣士K先生に二人とも
「なかなかうまくなったなぁ」とお褒めの言葉をいただいたらしい。
何とかかんとか「出席率だけが取り柄」でがんばってきた我が家の二剣士のとりあえずは善戦振りがうれしい。
帰りに、恒例のソフトクリームとたこ焼きを振舞う。
ま、お疲れさんということで。


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