月の輪通信 日々の想い
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毎年恒例のバーベキュー大会。 近所のレクリエーション施設のロッジを借りて、家族がそれぞれに知り合いや友だちを招いて集う。 今年の参加者は、私の結婚前の同僚のHさん家族。近所の友人のM君親子、Wくん兄弟、Uくん親子。そしてアユコの友だちのAちゃん。父さんの友だちのOさん。大人6名、子ども14名。 今年は昨年のメンバーに新人のU君親子とWくん兄弟を迎えた。
U君はゲンの同級生。去年ゲンとは同じクラスで、いじめ問題やら何やら一緒に戦ってきた友達だ。今年のクラス替えでべつのクラスになって、「なんだかUちゃん、落ち込んでるみたい」とゲンがしきりに気にしていたのだけれど、思い切ってお誘いしてみたら喜んで来てくれることになって嬉しい嬉しい。 U君母もまた私の昨年度のPTA仲間。子育ての悩みや学校の事など、カラッと楽しく笑い飛ばせる気持ちのいいお母さん友だちだ。
我が家の子ども達に早めにやってきた子ども達を加えて、バーベキューの下準備。 野菜を切ったり、飲み物を準備したり。以前に比べると子供たちだけに任せておける仕事の範囲がずいぶん増えて、楽チンになった。 「アユコ、ポトフのお鍋に水を汲んできてね。アプコ、ジャガイモの皮をむいていいよ。ゲンはUちゃんといっしょにベーコンを切ってね。」 ひまな手を遊ばせて置かない人使いの荒い母を見て、U君母が呟いた。 「子ども達を動かすのがうまいなぁ。」 ・・・って、それはお褒めの言葉らしい。 日頃から「そのためにたくさん子どもを産んだのよ」と手を抜けそうな家事は片っ端から子ども達に割り振ってきたずぼら母。口先一つでおだてて子どもを働かせるのはお手の物だ。 「アタシは結婚前、養護学校の先生だからね。子ども達に自分で出来る仕事を見つけて割り振るのは、その頃に身についちゃった習慣かもね。」 といったら、 「じゃ、私は駄目だな。元看護婦だから。何でもやってあげるのが商売だものね。」 とU君母が笑う。 「そうだねぇ。患者さんに『これ、やっといて』とは言えないモンねぇ」 と納得、納得。 日々の家事を一人でこまめに切り盛りし、子ども達の健康状態や心の動きをきめ細かく見守るU君母のしっかりした主婦ぶりは、看護士さんたちのきびきびと無駄のない、しかも気配り溢れるお仕事振りに通じるものがある。 若い頃の職業経験って、結構自分ちの子育ての中にも余韻を残すものなんだな。
ホントは、初対面の子ども達と遊んだり、家族と離れて宿泊したり、そういうことが好きじゃないんじゃないかなと心配していたUくんが、何度も何度も「おばちゃん、楽しかったよ。来てよかった。」と笑顔で帰っていった。 何より何より。 山のような洗い物をやっつけながら、じわじわと嬉しくなった。
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