月の輪通信 日々の想い
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2005年02月17日(木) オニイの進路

中学校参観と学年懇談。
授業参観は、授業。
入学当初から見ると二周りほども図体がでかくなった中学生達が、まるでスズメの学校のように野太い声をそろえて卒業式の合唱の練習をしている様はまだまだ可愛いらしくて、ホッとしたりする。
ホントなら中学生にもなると、音楽の授業ともなれば大きな声で歌うのを恥ずかしがったり、いきがって体をよじらせたりしていそうなものだけれど・・・。

参観後の懇談は、そろそろ今後の進路指導のこと。
来年度のテストの日程や進路相談、受験の大まかなスケジュールなどについて、お話を聞く。
オニイもいよいよ受験生。どうなるもんかなぁと思う。
「地元の公立校に何とか滑り込んでもらえれば・・・」とのんきに構えてはいたけれど、それも実際目の前のことになってくるといろいろ考える事も多い。
「かあさん、そろそろ勉強、頑張る事にするわ。」
と最近、何度も何度も気合をかけなおしては、空振りに終わっているオニイの一年先の戦いぶりを思い浮かべて、深いため息。
全くもう、どうなるもんだかなぁ。

「オニイ、君は将来何になりたい?」
幼い頃から何度もきかれた問いに、近頃オニイははっきりと「父さんの後を継ぎたい」というようになってきた。窯元の長男として周囲からは「跡継ぎさん」という言葉を何度もかけられて育ってきたオニイ。出来る事なら、いろんな職業をたくさん見て自分の能力を見定めたうえで進路を選ばせてやりたいという思いで、「跡を継ぐ」という事はあまり意識させないように育ててきたつもりだった。
それでもやはり、心優しいオニイは周囲の期待や父母の本音を敏感に感じているのだろう。
「小さい頃から、父さんたちの仕事を見て育ったからね。」
その答えはまさしく父や母が期待する嬉しい答えではあるのだけれど、
「他の職業は思いつかないんだ。」
というオニイの決然とした口調が、なんだか痛々しく感じたりもする。
同年代の少年達の多くが、将来の職業に荒唐無稽の夢を抱いたり、ぼんやりと漠然とした明日を夢見ているだろうになぁ。

まだまだ自分の行く末をたった一つの限定しないで、 自分の好きな事、やりがいのある仕事、実現しそうにもない壮大な夢をたくさん追いかけていて欲しいなぁと思う心。
父さんのあとについて、窯元としての将来に役立つ技術や経験を一日も早く積んでいってもらいたいと思う心。
あとに続くゲンの将来の事とも絡んで、我が家の進路選択の道は偏差値や内申書の点数では量れない悩みがいろいろ多い。
父と母の気持ちは千々に乱れる。


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