月の輪通信 日々の想い
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2005年02月10日(木) 人生相談

昨日の事。
昼間アプコとぼんやりワイドショーを見ていたら、「この人、知ってるよ。」とアプコが指差す。
まっ黄色の髪のあの方が、人生相談の番組に出ている。
「このおばさん、面白いから好きよ。」
アプコの趣味はちょっと変わっている。
氷川きよし、卓球の愛ちゃん、パパイヤ鈴木、ヨン様、そして三輪明宏。
ただ単に、外見がちょっと目立って他と判別しやすい人物を好きだといってるだけなのかなぁとは思うのだけれど、同じ毒舌系の人生相談と派手な衣装で有名な○木○子さんは好きじゃないというのでまんざらそうとばかりもいえないかもしれない。
でもねぇ、アプコ、その人、おばさんじゃありませんから。
ああ見えてもおじさんよ、あの人は・・・。
残念!

「○○界のご意見番」とか「カリスマ○○」とか、そういう人が嵩に懸かって誰かの悩み事を頭ごなしに叱り付けたり、近所のおせっかいばあさんのような説教をしたり、挙句に気まぐれな改名を命じたりしているTVの人生相談ってなんだか気持ち悪い。
歯に衣着せぬ毒舌と一見正論とも思えるアドバイスで相談者を追い詰め、霊感だか豊かな人生経験だかを盾にして、「アンタの事を思って言ってるのよ。」と手痛いアドアイスを吐く。
そういうスタイルの番組が結構視聴者受けがいいようで、年配の人たちですら「口は悪いが、なかなか正論を言ってる」と評価もあるようだ。
いくら深刻な悩み事を相談するとはいえ、初対面の事情を知らない第三者に、公共の電波に乗せてそこまで辛らつに叱られたくないわと私なんぞは思うのだけれど、はっきりと物の言える人にしっかり本音で叱られたいと思う人も多いのだろうか。

と、言うわけで、昨日のワイドショーもそれほど熱心に見るでもなくでもなく、何となく家事の傍ら小耳に挟んでいたのだけれど・・・。
引きこもりがちな娘との関係を何とかしたいという過干渉な母親。
「娘さんは娘さんの人生を生きているのだから、貴女のお人形じゃないのよ」と諭す口ぶりは穏やかで、「いいお母さんになりたかったのに・・・」という母親の本音を上手に引き出していく。
さすがにうまいなぁと感心していたら、最後に
「さ、それで貴女はこれからどうしていくんですか。」
と彼は相談者に宣った。

誰かが誰かに悩み事を相談するとき、その答えは本当はその悩んでいる本人の心の中に既にある。
そういうことが多い。
優れた人生相談という奴は、高い所からご託宣のように厳しい答えを投げ与えるものではなく、相談者の胸のうちにある自前の回答を上手に引き出してやる事だ。
後で思えば、最後に相談者の決意を引き出すスタイルは、彼の人生相談の定石パターンなのだろう。けれどもそこには、誰もが自分の内側に持ちあわせている問題解決の能力に対する彼の穏やかな信頼が感じられる。
「それで君はこれからどうしようと思うの?」
こういう問いかけ方が、誰かの決意を後押しする力になることもある。
よく覚えておきたい。


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