月の輪通信 日々の想い
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2005年01月30日(日) 子育てのごほうび

PTAで動員のかかった講演会に出かける。
「次世代育成支援対策セミナー」
要するにこれからの少子高齢化社会の問題をどうするかというお役所の事業計画の説明会。
「○年にはこれだけ子どもが減りますよ。」
「○年には子どもと老人の比率がこうなりますよ。」
「少子化の原因は、こんな事ですよ。」
「○年後の日本はこんなふうになりますよ。」
といろいろご説明くださいますが、うちではもう子どもは作れませんです。
もっと年若い、「結婚しない若者」や「DINK」の皆さんを前にして「子どもを作れー」とおっしゃってください。
一緒に行ったPTA友達とともに、お役人のありがたいお話にツッコミを入れる。
これまで子育て支援の時代といいながら、特別おいしい思いをさせていただいた記憶のない専業母としては、なんだか歯の浮くような「次世代育成支援」というお役所言葉に、白々しい冷ややかさを感じる。

昨日、アプコのランドセル購入に際して、
「この春は、アユコとアプコが入学。
来春はオニイの高校入学かぁ。」
とぼんやり考えていたら、なんとその翌年はゲンの中学入学、その翌年はアユコの高校入学と、これから7,8年、毎年誰かの入学卒業の年が続くという事に気がついた。
「うわぁ、これは大変なことになるぞ。」
別に今に始まった一大事でもなく、子ども達の生まれ年から換算すれば前々からわかっていたことだけれど、改めて紙の上に帯グラフのように書きあらわしてみて愕然とする。
卒業、入学のたびに、ボンと大きな負担となる教育費。
どう切り抜けるよ。
誰か我が家の次世代育成に支援の手をさしのべてくれ。

一緒に講演会に出かけたUさんは、アユコとゲンの同級生のお母さん。
地域の旧家に嫁いで家庭を守り、しっかり子育てをする三児の母だ。
「アタシは多分、おばあさんになってもこの土地の人よ。」
村のしがらみや、子ども達の教育の悩み、母親同士の人間関係のもつれをカラリと愚痴りあって気持ちよく笑うことの出来る彼女は、昨年PTAの役員仲間になって初めて親しくお喋りがするようになった友人だ。
普段、自宅と工房の行き来と買い物だけで生活のほとんどの用が足りてしまう専業主婦の私にとって、親しい友人といえばほとんどが、子どもたちを通してのご縁でお付き合いするようになった人たちだ。
4人の子どもがいれば、4学年分。たくさんの育児仲間に出会う機会が増えてくる。ありがたい事だなぁと思う。
親世代の介護や地域の活動に奔走する人、しっかり資格を取得して子離れ後の就職にトライする人、こころ穏やかに子ども達の成長を見守り暖かな家庭を守る人。
見回せば、私の周りにはイキイキと明日の自分を模索する同世代の元気なお母さんたちがいる。

「久しぶりに喫茶店で飲むコーヒーは美味しいわ。」
「人に入れてもらったコーヒーの味って格別よね。」
学校帰りの小娘のように、一杯のコーヒーで友人とたわいもないおしゃべりをする。
そんな当たり前のひと時が、実は子育てを通じて得た気持ちの良い友人との出会いあればこそ、いわば「子育てのこほうび」ともいえるひと時である事に、気付けた事が嬉しい。


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