月の輪通信 日々の想い
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2004年12月04日(土) 焚き火の魅力

急遽、予定変更で朝から行うことになった焼き芋大会。
子ども14人、大人4人が三々五々集まってきて工房周りやお茶室の落ち葉かき。
かき集めた落ち葉を子ども達がえっさほっさと運んで大きな落ち葉の山を作る。傍らでは女の子達が洗ったお芋を新聞紙で包み、びしゃっと水に漬けてアルミホイルで包む。
火をつける前に、小学生の男の子達が出来上がった落ち葉の山にダイビングし、頭の先まで葉っぱにもぐりこんでひとしきり遊ぶ。

皆を集めて、落ち葉に点火。去年は全員にマッチで火をつけさせてみたが、今年は100円ライターでの点火をやらせてみた。
家庭の中で実際に火を扱う事が少なくなり、中学生のオニイたちですら慣れた手つきで一発点火と言うわけには行かなくて、父さんがライターの持ち方からレクチャーして、何度も火を点けさせてみる。
さすがにお父さんが愛煙家という女の子だけは何のためらいもなく点火する事が出来て、面白かった。

焚き火が始まってからは、小学生の男の子達は火の番を大人に任せて、裏山に登ったり、地べたの上に車座になってカードゲームをしたり、おやつを食べたり・・・。
残った中学生と女の子達は、「鍋奉行」ならぬ「焚き火奉行」の大人たちの指導の下、ああでもないこうでもないと突付いたり扇いだり、落ち葉を足したりして、焼き芋の火加減を見る。
子ども達のお付き合いと言いながら、大人たちにとっても年に一度の火遊びは楽しい。
毎年毎年、効率よくこんがりと芋を焼く手順を研究しながら火の番をするのだけれど、翌年集まったときには前回の研究成果はあまり生かされていなくて、「来年こそは・・・」と課題を残すのも面白い。
ちょこちょこと手慰みに焚き火の世話を焼きながら、おしゃべりに花を咲かせる穏やかな時間。
山の緑が最後に運んでくれる冬の楽しみ。
ありがたく味わう。

天気予報の言うとおり、ポツリポツリと最初の雨粒が落ちてきた頃、ホクホクのお芋でおなかいっぱいになった子ども達はめでたく散会。
洋服にしみこんだ煙の匂いと新聞紙に包んだ焼き芋をお土産にそれぞれのうちへとかえっていく。
後に残ったのは、ほんの小さな一山の灰。
あんなにたくさんの落ち葉を燃やしたというのに、結局いつも後に残るのはあっけないほど少量の灰の山。
夜、雨足が強くなった。
みんなできれいに掃き清めた歩道や庭にまたひとしきり木の葉が降る。
山の営みは休まず続き、本格的な冬への歩みをとどめる事はない。


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