月の輪通信 日々の想い
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アプコと買い物の帰り、スーパーの前の出店で食器や箸を売っていた。 ちょうどオニイの箸が薄汚れてきたので、買い換えてやろうと思い立つ。 一番小さいアプコサイズのお箸から、お菜箸用の長い箸まできれいに並べられたのを見ていると、普段オニイが使っていたお箸の長さは、はて?どのくらいだったっけと分からなくなる。 今使っているお箸はちょっと小さくなったようだからと、少し長めの箸を手にとって見ると、なんだか父さんの箸のようで納まりが悪い。 だからと言って、もっと短い箸になると、この間ゲンに買ったお箸と同じ長さになってしまう。 私自身が使っているお箸より長いのを買うのもなんだかなぁ・・・・。 いろいろ悩んだ末、ま、この辺で少し長めのお箸を選んで、買って帰った。
かえって比べてみると案の定、選んだ箸は父さんのよりは少し短め、そして私の赤い箸よりはほんの少し長めだった。背丈や腕力だけでなく、お箸の長さも息子に負けちゃう年齢になったのだなぁ。 「オニイ、ちょっと、手、見せて。」 と、自分の手のひらをオニイの手のひらに合わせてみる。 子どもの手のように短い私の指と、少年らしい節の立つ大きくなったオニイの手。 確かにオニイの方が一節分ずつ指も長い。 母より長い箸でご飯を食べるのもあたりまえなんだよなぁ。
久しぶりに、あわせたオニイの手のひらは意外にごつくて大きかった。 そういえば、この子にも小さな赤いもみじのような手の時代もあったのに・・・。 こうして男の手になっていくのだなぁ。 この手がこれから生み出していくものはなんだろう。 この手がこれから掴みとってくるものはなんだろう。 そして、この手は、どんな人とつながれるのだろう。 なんだか嬉しい、ちょっとさびしい。
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