月の輪通信 日々の想い
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2004年06月21日(月) 台風、そして掃除魔の襲来

台風だ。
暴風警報が出て、幼、小、中学校そろって休校。
次々に子どもたちの連絡網の電話が入る。
喜ぶ子供達を尻目に母、げんなり。
本日、召集予定であったPTAの広報委員会も必然的に流れる。
広報紙の現行の締切日で、取りあえずメンバーが出てきてくれないと予定が大きく狂うと言うのに、全くついていない。
代替の活動日を決め、段取りを考え、あちこちに電話とメールで連絡を取る。
父さんは、今日近くの公共施設の陶芸教室の素焼きの予定が流れる。
こちらもまた、窯の利用可能日や生徒さんの参加状態など予定変更の影響は大きい。午前中いっぱい、手配に奔走。
つけっぱなしのTVの台風情報をたびたび眺めてはぶうぶう文句を言う。
・・・・そういえば、予定変更の段取りの心配はするものの、台風そのものの被害の心配はすっかり忘れている我が家。
だって台風なんていうけれど、この辺りではちょっと強めの雨模様状態。
ああ、台風なんて嫌いだ。
子供達よ、ひとっ走り学校へ行って、給食だけでも食べてさせてもらってきなさい。

試験前のオニイは、終日連立方程式と格闘(のはず)。
アユコには、突然「掃除の神様」が舞い降りたらしく、ブタ小屋状態だった4人共有の子ども部屋の片付けにのめり込む。
大体アユコは私に似て、本格的にお片付けモードに入るとすこぶるご機嫌が悪くなる。その指揮下でいやいやおもちゃや本を片付けている兄弟達は、遠慮のないアユコのダメ出しと癇癪に恐れをなして、一人二人と脱落して逃げ出してくる。
おしまいにはアユコ一人がぷっとふくれっ面しながら、一人で黙々と作業に没頭する羽目になる。
「ちゃんとアユコの手伝いをしてきなさいよ。」と、一応弟妹達には声をかけるものの、ひとたび掃除の化身と化したアユコがどれほど辛辣で、ピンピンとんがっているかはよく知っているので、無理に大掃除に押し戻す事もせず。
「まぁまぁ、うまい事やってぇな」と優柔不断な母。

掃除魔となったアユコの言動はよく聞いていると、出かける前や特別家事がたまっているときのいらいらした私の言動によく似ている。
「何でアタシがこんなにやってるのに,みんな協力しないの。」とか、
「せめて自分の分くらい責任持ってやってよ。」とか。
日頃の我が身のサボり症は棚に上げて、自分の「掃除熱」「家事熱」について来れない家族をなじる。
あはは、口調までそっくりだ。
他の子達の反応を見ていると、これまた日頃、私の癇癪をさりげな〜く避けてどこかに逃げ込んだり、他の用事が出来るとこれ幸いと仕事場に逃げ込む父さんの反応にそっくりだ。
「くわばらくわばら」と知らぬ間に私の視界から消えて行く鮮やかさは、父譲りでしっかり伝承されているらしい。

数時間後、ブタ小屋の大掃除を終えてすっきりした顔のアユコが下りて来る。
「みてみて、きれいになったでぇ。」
どれどれと見違えるようになった部屋を視察に行く。
「お、さすがにアユコ。きれいになってるジャン」
すかさず、誉めておだててアユコのプライドをくすぐるオニイの技も絶妙だ。
これも父譲りの「主婦操縦術」か。

夕暮れ。
「虹が出てるよ。早く早く!」
と、父さんが帰ってきた。
山の向こうにふわりと頼りなげな七色の橋。
少しの雲の動きにも移ろって見え隠れする虹を指差して、歓声を上げる子ら。
みなで同じ空を見上げて、笑う事の出来る今日の幸せ。
さあ、明日も頑張ろう。
クサらすに行こう。

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