月の輪通信 日々の想い
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朝から、小学生組は子供会のイベントで小学校へ。 オニイは、剣道の稽古へ。 父さんはアプコの日曜参観へ。 私は、時計とにらめっこしながら、幼稚園と道場の送り迎えで、2往復ずつ。 結局、洗濯物も干せないまま車で出入りするうちに、午前中のほとんどはつぶれてしまった。 朝ご飯の洗い物が山積みのまま、昼ご飯に突入。 なんなんだ、この休日は・・・・。
6月6日は、ゲンの誕生日。 我が家では、誕生日の夕飯のメニューとケーキ、プレゼントは本人の希望申告制。 散々迷った末, 「夕飯はデリバリーのピザ。ケーキは100円ケーキ一個づつ。プレゼントはトレーディングカード。」 誠にリーズナブルな我が家らしいリクエスト。 よしよしと、午後からゲンと二人で買い物に出る。 100円ケーキではあんまりなので、少しだけグレードアップした店で人数分のカットケーキを選び、ついでにゲンの好みのアイスをたくさん選んで買ってきた。 「なんか、ちょっとしあわせだなぁって気分。」 帰りの車の中、ケーキの包みを大事に膝の上に抱えて、助手席のゲンがつぶやいた。 「お安い幸せで悪かったねぇ」とツッコミをいれながらも、彼が膝の上のケーキそのものよりも、「母さんと二人だけで自分の好きなものを買い物に出かける」という久しぶりの時間を愉しんでいるのがよくわかる。 ここんとこ、母さんの目はオニイばかりに向いていたし、いつも気散じでマイペースなゲンはどうしても置いてけぼりになる。 なんだかうっとおしい、つまらない日々が続いていたのだろう。 せめてお誕生日ぐらい、「ゲンが一番」の日であってもいいよね。 けなげなゲンのささやかな幸せに、母はちょっとほろりときたよ。
「ところでゲン、10歳になった君の抱負を訊かせてもらおうか。」 毎年のお約束で、今年もゲンに聞いてみた。 「ほうふってなに?」 「これからやろうと思っていることとか、将来の希望とか・・・・」 「う〜ん・・・。」 かっきり信号1回分、考え込んでからゲンが言った。 「西瓜、一個、一人でまるかぶり!」 「はぁ?!」 「あ、メロンでもいいけど。」 いいよいいよ、「幸せだなぁ」の一言に激しく感動してしまった母が馬鹿だった。 君って、基本的に「食欲の人」なのね。 それも良し。 しんどい時や辛いとき、 「よっしゃ、なんか美味いもの食べて、がんばろう。」 と気持ちを切りかえられるのは、大事な事。 私はゲンのこういうあっけらかんとした明るさが好き。
10才のゲン。 誕生日おめでとう。 明日も美味しいご飯を作るよ。 生まれてきてくれて、ありがとう。 月の輪通信
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