月の輪通信 日々の想い
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2004年03月24日(水) 「ごめん!」のタイミング

誤って誰かの足を踏む。
「あ痛っ!」と言われる前に「ごめん!」といえること、大事だなぁと思う。

先日のアユコのメール事件。
問題発覚からすでに2週間。
校長教頭、担任の先生、5人の子供の親たちまで巻き込んで、すったもんだの末、一応の解決をみた。クラスでも話し合いが持たれ、修了式前の数日はクラスの気分を切り替えるためにたくさんの楽しい行事がもたれた。
「とりあえず、これでおしまいにしようね。」
アユコも心の整理をつけ、すっきりと言い放った。
そのほうがよいと私も思う。

ところが、なかなか終わりにしてくれない人たちがいる。
先週、話し合いが終わってから5人の子供達の両親がぱらぱらと謝罪にみえる。
最初に飛んでこられた数組はいい。
今日、最後の一組が親子3人でやってきた。
話し合いからすでに10日。
何をいまさらという思いしか残らない。

今日、謝罪に来た子供の母親は、私と顔を合わすと二言目には「仕事が忙しくて」という。
表向き専業主婦である私への優越からか、ことさらに「気の抜けない仕事だから・・・」と繰り返す。
今回子供達の非行に気づかなかったのも、謝罪がぐんと遅くなったのも、「私が仕事で不在だったから」「主人の仕事が大変な時期だから」と、いちいち同じ言い訳をする。
仕事を持つ主婦は忙しい。
子供とともに過ごせる時間の多くを仕事のために費やしている。
だからといって、自分の子供の非行を見抜けなかったことや、その後の対応が遅くなったことの言い訳にいちいち「仕事」を持ち出すのは、どこか勘違いしていないか。

日々だらだらと続く子育ての日々にも、ここははずせないというタイミングがある。
仕事の片手間の育児にも、ここだけは子供優先にしなくてはならないときもある。
子供が「しまった!」と思っているときにガツンと叱る。
「悪いことをした」と気づいたときに謝罪をさせる。
両親が本気で息子の非行を恥じる姿を見せる。
そんな基本的な作業が出来ないまま「仕事優先」に逃げる親の姿勢を、子供達はきっと見ている。きっと学んでいる。

足を踏まれた者は痛い。
相手が故意に踏んだとしても、押されてふらついてやむなく踏んだとしても。
「ごめん!」
のあとの言い訳はいらない。
それより即座に「ごめん!」と声に出して言ってくれ。
欠陥自動車と知りながら販売を止めなかった社長さんが、事故死した方の墓前で謝罪していた。
「2年も経ってからですよ。」
被害者の家族の方が悔し涙にくれていた。
「ごめん!」のタイミングは難しい。
でもその人の価値観や心の有り様をつぶさに表す試験紙でもある。


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