月の輪通信 日々の想い
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2004年03月16日(火) ぽっかり卵の教訓

朝、お寝坊して大慌てご飯だったので、朝ごはんのメニューは「ぽっかり卵」とお味噌汁。
ゲンは、甘辛いしょうゆ味のおだしでぽっかりと煮た「ぽっかり卵」がちょっと苦手。
朝の忙しい時間には卵のお鉢を気乗りしない様子でつんつんつつき、時間切れになるとこれ幸いと黄身だけぽつんと残して逃げる。
今日もまた、あわただしさにまぎれて、ごまかして席を立とうとしているので、すんでのところで呼び戻した。
「ちょっと待て。黄身まで、しっかり食べていきなさい。」
ばれたかと、しぶしぶ戻ってくるゲン。

「誰かに喰われて、誰かの血や肉になろうと思って生まれてきた命じゃないんだから、こんな残し方をしたら卵に申し訳ない。」
私が、忙しついでに説教をしたら、横からオニイが、
「その言い方、うまいな。
僕も大きくなったら子供にそういって叱ろう。」
と茶々を入れた。
「真似させてやっても良いけど、そのときまでちゃんと覚えておきなよ。
まだまだ先の話だよ。」
といったら、
「そやな。もし、忘れてたら、そのときはお母さん、思い出させてな。」
「え〜っ、あんたがこどもの親になっても、まだお母さんがあんたの忘れ物を思い出させてあげるの?とんでもない、まっぴらよ。」
「ありゃりゃ、そうでした。」
分が悪くなったオニイもこそこそと逃げ出す。
食卓の上には、空っぽになった卵のお鉢。
しっかり食べたら、行ってらっしゃい。

こんな日常の何気ない会話の中から、子供達は親の価値観や生き方のかけらを学ぶ。
そして、いつか自分が親になったとき、思わず知らず同じ言葉で子供を叱る。
私の親としての毎日の言動が、未来の子供達の言葉になる。
しっかり考えて、ちゃんと「おかあさん」しなくちゃなぁ。
まだまだ大変だなぁ。


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