月の輪通信 日々の想い
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弟夫婦の所に先日初めての赤ちゃんが生まれた。 予告どおり、元気な女の子。 実家の母より弾んだ声の報告があり、昨日は新米ママ本人からの電話があった。 普段、女学生のようなおっとりした話し振りの若いTちゃんの声が、急に張りある母親の口ぶりに変わっているのも微笑ましい。 後から、弟が「うちの子の写真です。」とさっそく第一号親ばかメールをくれた。 「うちの子」だってさ。 弟もようやくパパの口ぶり。 おめでとう。 天使の到来、よかったね。
赤ちゃんが身近にいる生活からしばらく遠ざかっているので、 メールで送られてきた赤ちゃんの写真は新鮮だった。 「まぁ、かわいい!」 一応言ってみるけれど、生まれたての赤ちゃんというのはどこか動物っぽい。 悟りを開いた高僧のような深い深い無表情。 まだ人間の世界に着地しきっていないような、半分神様の世界に住んでいるような不思議な存在。 これからたくさん乳を飲み、たくさん眠り、たくさんオムツを汚して、赤ちゃんはだんだんに人間らしくなってくる。 母親の呼びかけにわずかに反応する気配が芽生え始めるようになって、初めて「ああ、人間らしくなってきたなぁ。」と気づくようになる。
「母になる」 「父になる」 神様からお預かりした命をしっかりと受け取って、「人間らしく」大事に育てる。これから弟夫婦を待っているのは疾風怒涛の育児の日々。 眠い眠い夜中の授乳、限りないオムツ替え、夜泣き、突然の発熱・・・。 泣きたくなる日もいっぱいあるだろう。 でも不安なパパママを支えてくれるのは、赤ちゃん誕生の日のあの感激。
赤ちゃんの小さな手、小さな頬、小さな瞳。 みんなここから始まったんだな。 憎まれ口をたたき、男臭い汗をかき、些細な事にむくれ、馬鹿みたいに大食する我が家の子供達。 みんな小さくかわいかった。 この子達が十数年の間に与えてくれたたくさんの驚きと喜び。 改めて思い出し、しげしげと子供達の今を思う。 よくぞ大きく育ってくれた。
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