月の輪通信 日々の想い
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昨日のお昼、アユコの先生から電話。 アユコが頭痛でしんどそうだから迎えに来てほしいとのこと。 ありゃりゃ、朝は元気に登校していったのに・・・と即行で迎えに行く。
「お昼前に、目が痛いと訴えていたのだけれど、途中から頭が痛いとしんどそうなので・・・」 吐き気もあるという。 自家中毒では何度か早退の経験のあるアユコだが、そんなに強い頭痛は初めてで、目や吐き気の異常が伴うというので気になる。 「風邪のせいかなぁ。」 ととりあえず寝かせるが、熱もない。 「よく眠って、それでも駄目だったら病院、行こうか。」 と、セデスを一錠。 「頭を振るとぐぁんぐぁんするの。」 「頭の片方だけがとってもいたいの。] 「頭痛の前に目が変になって、黒板を見てたら写真のフラッシュみたいにちかちかして目が痛くなったの。」 「いつもの自家中毒の『頭版』みたいなしんどさなんだけど・・・」 さすがに5年生ともなると、自分のしんどさを説明する語彙も豊かになった。 自分の体の有り様をちゃんと理解できるようになってきたということか、と妙に感心したり、驚いたり。
今朝になってもアユコの頭痛は消えていなかった。 「今日は二つもテストがあるし、理科も新しい単元に入る。ホントは学校、いきたいんだけれど・・・」 パジャマのまま起きてきたアユコは、なんとなくお休みモード。 「いいよいいよ、休んじゃえ。」 うう、主婦の優雅な平日が・・・と嘆きつつ欠席の電話を入れる。 「じっとしてたら、それほど痛くない」 というアユコは母に気遣って病欠中だというのに、アプコの世話を焼いたり、朝の片付けに立っていったり。 「おおい、そんな元気あるんだったら、なんかおいしい昼ごはんでも食べに行こうか。どこかへお買い物にいくとかさぁ・・・」 母は面白がって生真面目なアユコをそそのかす。 とんでもないと首を振るアユコ、これがゲンだったらほいほい飛びついてくるだろうにね。
困った時の「家庭の医学」 子供たちが赤ちゃんの時に買ってきた分厚い本を開く。 「へんずつう」という言葉で引いてみると、あったあった。 アユコと一緒にふむふむと覗き込む。 「周期性に発作的に起こる・・・頭の片側が痛むことが多く・・・・一般に男より女に多く、少女期から思春期に多発・・・」 あはは、これだ、これだ。 「前兆としてだるい感じや耳鳴り、ものが二重に見えたり、チカチカしたものが見えたりします。」 ぴったりじゃん! 「風邪じゃないのかなぁ、なんか怖い病気だったらどうしよう」 となんとなく落ち着かなかった母娘に、ニヤニヤと笑いが浮かぶ。 「これだこれだ。」 頭痛は続いているけれど、なんとなくほっとしてへらへら笑う。
「要するに自家中毒の頭バージョンなのよね。」 プレッシャーがかかったりストレスが重なると、決まってやってくる自家中毒の発作。吐いて吐いて、一晩中吐いて、ぱたっと回復するアユコの体質。 最近では、少し症状も軽くなって、アユコ自身が要領よく発作を乗り来ることができるようになってきたと思っていたら、今度は頭かぁ。 偉大なる「家庭の医学」には書いてある。 「原因はよくわかっていないが、精神的誘引から起こることもしばしばある。」 ストレスよ、ストレスよ。 アユコ、あんたも苦労が絶えないらしいねぇ。 君のガラスのハートは、毎日休まることがないらしい。 よっしゃー、今日はともかくお休みだ。 試験も給食当番も忘れて、ぼーっと遊んじゃおう。
私が内職仕事を片付ける傍らで、アユコは大好きなビーズ手芸をして一日を過ごす。(普段、アプコがまつわりついているとなかなか落ち着いてできないんだ。) 暖かい春のような一日。 アユコの頭痛はすこしずつ引いていく。 なんだかちょっと楽しい病欠でありました。
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