月の輪通信 日々の想い
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ゲンのクラスの担任の先生は、教師一年生のお姉さん先生。 だいじょぶかなぁ・・・なんて、思っていたら、これがなかなか「当たり」の先生。 毎日、せっせと学級通信を出し、子ども達とのボール遊びに子ども以上にヒートアップし、独特のユーモアでギャングエイジの子供らをぐっと引きつける。 若い先生って、ベテラン先生とは違う面白さがあるよな、と思う。
このクラスの係り活動。 子供らがみんなのために必要と思う係を作って、全員が一人一役受け持つことになっている。 「かさ係」「黒板係」「体育係」っていう例のあれだけど、なんかユニークなのが混じっている。 2学期。 「ケンカとめ係」 よっぽどしょっちゅうケンカがあるのかな。 確かに、争いごとが始まると必ず出てくる仲裁係がいると便利かもしれないけど、それより、見かけたアンタが止めたらどうよ。 ・・・とつっこんでいたら、やっぱり子ども達もそう思っていたらしく、3学期には廃止になった。
ちなみに、2学期の「ケンカとめ係」は別に筋骨隆々でもないふつーの子がやってたそうだ。
で、かわって登場したのが「折り紙拾い係」 去年の秋から、どうやらうちのゲンが流行らせたらしい紙飛行機ブーム。 徳用折り紙の大束をガンガン消費して作り出す紙飛行機、当然、飛ばしたらとばしっぱなし。 たちまち、教室は紙屑の山。 「なんとかせんかい」の声が挙がっていたらしい。 それこそ、「飛行機作った本人が拾えばどうよ。」とツッコミを入れたいところだけれど、その辺の学習能力は3年生にはまだまだ期待できないらしい。
「当然、ゲンは折り紙拾い係よね。」 ときいたら、 「違う、ぼくは落とし物係!」 え?それって、いっぱい落とし物をする係ですか?
学級通信に載せられた「3学期のかかりのしごと」を読んで、ひとしきり笑ってしまった。 いいなぁ、この先生のにじみ出るようなユーモア感覚。 「仲良し係」とか、「ゴミ係」とか、見慣れた係の名前を子供らに提案することもなく、子供らの言葉通りに「ケンカとめ係」「折り紙拾い係」を採用する鷹揚さ。 「気がついた人がやったほうがいいんじゃないの?」とオトナの論理で誘導してしまわないで、にこにこわらって子供らの活動を見守る余裕。 これってきっと、この先生自身が、こういうゆったりした先生や両親の暖かい見守りのなかで育っていらしたんだろうなぁ、と思う。 「子どもの目線に立って・・・」と言われるけれど、オトナになってしまった教師や親が、子どもの心を共感するためには、豊かな想像力と結果を急がない心の余裕が必要。 こどもって、こんなに面白いんだなぁ。 こんな事を考えてるんだなぁ。 「母」の目線で子供らを見ることに何の疑問も待たない私に、子どもの心を持った若いお姉さん先生から発信される「子どものこころ」通信。 くすくす笑ったり、ふむふむと感心したり、随分楽しく読ませてもらった。 若いっていいなぁ・・・。
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