月の輪通信 日々の想い
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2004年01月17日(土) こんにちは赤ちゃん

2月に初めての赤ちゃんを迎える弟夫婦が、お下がりベビーカーを引き取りにきてくれた。
病院で立ち会い出産の講習を夫婦で受けた帰りだという。
「一緒にひーひーふーってやるの?」
と聞いたら、「かもね。」と弟はお茶を濁す。
初々しいねぇ、パパの恥じらい。

ベビーカーに、赤ちゃんを寝かす籠、アプコのお古の子供服。
しばらく屋根裏にしまい込んであったベビー用品。
嫌と言うほど使い込んだものを引き取ってもらうのは気が引けるのだけれど、
元気で大きく育った子供らのエネルギーを、ピカピカの赤ちゃんにも分けて上げたい、そんな気持ちで送り出す。
「使う期間は短いのに、買うと結構高いからね。」
小姑のお節介にいちいちうなずいて笑ってくれるTちゃん。
悪いね、怖いお義姉さんの居ないところで、愚痴いいながら処分してくれてもいいからね。

「で、布おむつはいる?紙おむつがラクチンだけど、経済的には布も助かるよ。」
まだまだ、赤ちゃんとの生活に実感がわかないTちゃん。
布おむつも少しは用意したけど、どうなるか判らない。
「あかちゃんって、一日の何回くらい、おむつを替えるんでしょう?」
あはは、そうだね、そこんとこからわかんないんだよね。
初めて母になると言うことは、海図も持たずに大海原に旅立つ小舟のようなもの。
怒濤の海を10年も漂い続けた老水夫は、処女航海の新米ママのとまどいをようやく少し思い出した。

一日にバケツいっぱいの布おむつ。
ががっと洗濯機であらって、しっかり脱水し、パタパタ拡げて干し上げる。
どうだ、うちにはこんなに手の掛かる赤ん坊がいるんだぞっと胸を張って日なたに干す。
お日様をいっぱい吸った布おむつは、ぱりっと乾いて、畳んで積み上げるとふんわりと嵩高い。
ぴぴっと端っこを揃えてたたんだ布おむつをたっぷりおむつ入れに補充すると、「さあ、明日もしっかり『ママ』するぞ」
と妙な闘志が湧いてくる。
ただただ眠い、しんどい、忙しいの毎日だったけど、充実していたなぁ、あの時代。

その頃の戦友、段ボール箱いっぱいの布おむつ。
なかなか処分することが出来なくて、今でも半分はリビングの端っこに置いておいて、
「ぎゃー、こぼした!」とか、「げ、こんなトコ汚したのはだれ?!」の時の応急処置用に愛用している。
何度も何度も洗濯を重ねて柔らかく、洗いやすく乾きやすい。
最後のおむつ生活者が卒業しても、まだまだ我が家で活躍している布おむつ。
こんなに親しく手になじみ、暖かい想いのこもった布の存在をなんだかちょっと嬉しく思う。
長い育児生活の果てに、母の手元に残ったのはこんな宝物。

「育児」という知らないことだらけの海にこぎ出そうとしているTちゃん。
大丈夫。
きっと赤ちゃんとの生活は楽しいよ。
たくさんのおむつも夜中の授乳も、過ぎてしまえば輝く勲章。
なにより、毎日確実に成長していく、頼もしい子供らがいる。

先日からのオニイの喉の変調。
もしかしたら声変わり?
おっさん声の息子に「かあさん」と呼ばれる日も近い。
うう、あんなにかわいい産声だったのに・・・


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