月の輪通信 日々の想い
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2004年01月14日(水) 神様の気分

父さんの陶芸教室の新年会。
いつもお年玉がわりに生徒さん達にお菓子などの小さな包みをお配りする。
今年は何にする?と二人で考えた末、趣向を変えて、うちの窯で焼いた陶製のストラップを差し上げようと言うことになった。
去年の春から細々と作り始めた陶器のアクセサリー。
私も少し型抜きや施釉の要領も覚えてきたし、欲しいと言って下さるお客様もぼちぼちあって、ようやくお仕事になりつつある感じ。
新製品開発の欲もあって、正月明けから50個のトップを焼き上げ、ストラップ用の金具をつけて、準備した。

お正月だからと面白がって、お年玉のポチ袋に一個ずつ入れて包装完了。
面白ついでに、アユコの千代紙を拝借して、にわかおみくじをこしらえ、一緒にポチ袋に入れる。
大吉、中吉、吉、末吉。
お祝い事だから、悪いくじは入れないのだけれど、なんだか見知らぬ人に今年の運気を配るようで、ちょっとドキドキ。
おみくじって勝手にこしらえても、バチなんかあたらないよねぇ?
そんな冗談をいいながらの袋詰め作業はなんか楽しい。
横で手伝ってくれるアユコもうふふと笑って大吉の数を何度も数えている。
良いくじが一カ所に集まらないようにとぐるぐる混ぜる。
どうせ、外から見えないんだから、どう並べても公平にお配り出来る筈なんだけど、ついつい混ぜちゃうこの心境って、何?
もしかして神様の気分?

世の中に降り注ぐ幸運、悪運。
「なんて幸せな私!」
「なんで俺ばっかり不幸なんだ!」
そんな気持ちの後にふっと湧いてくる「神様」という言葉。
私には深い信仰は無いけれど、どこかの誰かが時折配って下さる運、不運。
誰かの手から間違いなく私の上に配られた贈り物を、どれも大事に受け取ることの出来る私でありたい。
思わぬ不幸は、奮起の糧に。
思い掛けない幸運は、自省の為に。
良いことも悪いことも全て私自身のことと、まっすぐに受け止める豊かさが欲しい。

「今年一年、良いことがありますように」
想いを込めてお配りした、悪いくじを一つも入れないお年玉。
教室の皆さんにはそこそこ好評だったようで、ありがたい。
「あ、大吉!」
くじを開いて、ほっとこぼれる微笑み。
御利益と言ったらほんの一瞬のその笑みだけのインチキおみくじだけど、お配りする当方としては、たくさんの「うふふ」を頂いた。
神様の気分で、福を配る。
ちょっと楽しいいたずらかもしれない。


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