小説集
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2004年11月25日(木) : デイヴは何故…
 

注:やおい小説です
  苦手という方はご遠慮ください

――――――


いやだ やめて 俺が悪いんじゃない
         悪いのはデイブだ だから…

――――――

 荒々しく扉が開けられ、怒りを漲らせたフランク・ミラーは包帯に包まれたもモノを自分のベット―2段ベットの下段―にどさりと落とすと、包帯の中のものが呻き 動いた
 その様子を無表情に見つめ、戦闘服のジャケットを脱ぎ、ハンガーにかけ 煙草を取り出した
 「あ う…」
 包帯の隙間からあいた穴から声が漏れ、包まれた人間はそうとう苦しんでいることがわかる。フランクは少し手を動かすと、包帯の中の人物は身体を引きつらせおとなしくなった
 煙草を吸い終えたフランクは、荒々しく息をする人物の顔に巻かれた包帯を剥ぎ取る。それはただの包帯ではなく 呪がかかれた呪布であり、その下からはケロイド状になった顔が現れる。しかし、ゆっくりとだが、その顔は本来の姿へと再構築していく
 呪布に巻かれた人物の顔がすっかり元に戻ると、フランクは少しずつ他の部分の呪布を解いていく
 怯えた目でその様子を見ていた青年は涙をこぼした
 「泣いてどうする お前が蒔いた種だろ?」
 青年が叫ぶ
 「違う!俺のせいじゃないっ デイブが デイブが…やだ!やめてっっ」
 長時間、呪布で縛られ能力を抑えられていたため 起き上がれずにいる青年の足と足の間に手を入れ、潤滑剤にぬれたそこに指を入れたフランクは 下卑た笑いを浮かべた
 「大分こぼしたな お前が戻ってしまうと困るから…」
 指を飲み込んだそこから引き抜くと、逃れようと身体を動かした青年の手を引き、頭の上で束ねて呪布で縛った。悲鳴が上がる
 「ごめん なさいぃ  お願い ゆるして…」
 「何を許すっていうんだ デイヴ?デイブがああなる前にお前が出ていれば大事にならずに済んだはずだ お前はわざとあの状況を楽しんでいたろ?」
 「ちがっ あう!」
 「少し我慢しろ お前をこっちに定着させる
  逃げられたらこまるからな」
 デイヴと呼んだ青年の額に手を当てたフランクは呪を唱える。すると、デイヴが凄まじい悲鳴を上げるが、気にする様子もない
 「…お前を定着させて、能力を軽く封印した さぁ、脚を開け」
 力なく首を振ったデイヴは、弱々しい声をあげる
 「いや…もう いやだよ」
 泣くデイヴを嘲り笑い、デイヴの髪を掴んだフランクは 嫌がるデイヴの身体をうつぶせ、腰を引き上げる
「い、や やめ ―――!!」
声にならない悲鳴が上がる。 ただ、潤滑剤で濡れただけのそこに フランクは自分のモノをあてがい、一気に根本まで埋め込んだのだ。
 何もされていなかったデイヴのそこは裂け、赤い血が内腿を伝う。それはシーツに赤い染みを作った
 精神をこちら-この世 に定着させられ、その上 吸血鬼の再生能力を含めた すべての能力を使えないようにされたデイヴの身体は、血を止めるすべは自然に任せるしかなかった。しかし、自分のそこを押し開けるモノが それを許すはずがなかった
「んん!」
 フランクがデイヴの熱くなったものを握った。デイヴの脚がガクガクと震える。
「なんだ、いいんじゃないか」
 デイヴを串刺しにしたままフランクは枕の端を割き、紐を作るとデイヴのモノをきつく縛り 腕の戒めを解いた
「勝手にいくなよ?」
 デイヴの体がこわばったのが、目に見えてわかった。それを、冷たい目で見ながらフランクは動き始めた
「お前に苦痛を与えても無駄だからな
 拷問は苦痛だけじゃない 快楽もあるんだ」
 そのまま耳たぶを弄ってやると、ピクリと身体がはねる。体を離したフランクは、しっかりと腰を支え本格的に抜き差しを始めた。皮肉にも、結合部分から流れ落ちる血が熱のすべりをよくしている。
 痛みに震えていたデイヴも、いつしか声には苦痛でない色が混じり おずおずと腰を動かしはじめる。
 フランクは、そっと背中にある傷の一つにふれた
「!!!」
「きつ…」
デイヴはというと、きつく目を閉じシーツを握りしめている。断続的にしめつけていた壁が少し緩むと、大粒の涙を溜めた目が開き フランクを見た
「も 許して …苦しいよ 」
フランクの口が上がる
「それはよかったな でも、俺はまだだ
 …そうだな、自分で動いてみろ 簡単だろう?」
 デイヴの目から涙が見る間にあふれ、顔に懇願の色が浮かぶ
「お願い いやだよぉ…お願 い!!」
 ぬれたそこを触ってやると、デイヴは嬌声をあげた
「俺をいかせられたら 外してやるよ ほら」
 何を行っても無駄だと気付いたデイヴは枕に顔をうずめ、腰を動かし始めた

薄暗い部屋に デイヴの口から漏れる喘ぎと 荒い息、粘着質な音だけが響く

 デイヴの腰に置かれた手が動き、肩を掴むとフランク自身を入れたままデイヴを仰向けにする
 デイヴは悲鳴を上げた
「痛い 痛い はずして はずしてぇ!!!!」
 こぼした液体で濡れ、解けにくくなった紐を津から任せに解いてやると 細く、男のものとは思えないしなやかなデイヴの腕が絡みついてきた
 牙が光る口を口で塞いでやると、ますます深くしがみついてくる

――くそっ 何で俺は こいつを…

「―――っ!!!」
 デイヴの身体が震え、白濁した液体が飛び散った 
 フランクは締め付けるデイヴの中に自分の欲望を放った

――こいつに喋らせようとしても 無理だ
  どんなに抵抗しようとしても持って行かれる
  …オットー・ルッツコフマンが執着するはずだ
  こんなのはなかなかいない 中毒になる…

 涙を流し横たわるデイヴを見ながら、フランクは デイヴが何も効かない事に気づいた

――だが… 効果はあるな

 もう一度、デイヴの足と足の間に手を差し入れる
 デイヴの目が さっと恐怖に染まった

「さぁて、喋ってもらうとしますか…」






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