小説集
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2004年09月16日(木) : seen=2 フランク・ミラー
 

 目が覚めたのは王宮突入の為の出撃30分前、M.A.S.Hの簡易ベットの上だった。
 俺が眠っている間に何が起こったのかはミハ-隊長-が話してくれた。勿論、ミハが話さなくても、デイブが何をしようとしていたかはわかっていた…

「デイブ?デイブか!?」
 FORTH 10のテントの前に立つ人影にミハエルは声をかけた。金髪の、暫く見ていないデイビット・ボーマンが、問い掛けに振り向いた。ミハエルが口を開く前に、腕の中で眠るフランクを渡した。
「こいつを預かってくれ、夜明けまでには目を覚ますはずた。それと
ウォルフに、日の出と共に王宮に突入を開始するよう伝えてほしい。必ず 日の出と共にだ。」
 少しの間の後、ミハエルは口を開いた
「デイブ、まさかっ まさか死ぬ気じゃ…」
「この戦い-人間と吸血鬼の戦い-は 俺が決着をつけなけりゃならないんだ
死ぬ気じゃなきゃ、あの男-皇帝-は殺せない」
 背を向け歩き出す
「デイブ!お前は『FORTH 10』の隊員だからな!仲間なんだ、ちゃんと帰ってこいよ」
 わかっていると言わんばかりにてを振ったデイブは闇の中へと消えていった…

 たいていのヴルト・イルバンの兵士は、アンジェル共和国軍のVHSOFsのエンブレムをつけた兵を見ると抵抗をやめ、武器を差し出し降伏した。自分たちの負けは明らかで降伏した者達だ、彼らは自分たちの武器-きば-を差し出したのだから殺す必要はないし、いまさら殺すこともない。例え、それが吸血鬼であってもだ。もちろん抵抗は2つ3つあったが、すぐに片付けられた。王宮突入にあたっても、人間貴族が入れる前宮でも抵抗は皆無。武器を構えていた者達も、VHSOFsの文字時を目にした途端 降伏の姿勢を見せる。何の抵抗もなく、後宮に続く長い廊下を 奥へ奥へと進んでいくと、銃声が聞こえてきた。進むにつれ、音は大きくなる。
 ある扉に吸血鬼たちが群がり進入しようと足掻くが、結界が張っているらしく扉の内側に入ることだ出来ないでいる。床には大量の灰が積もっており、中から撃たれた弾に当った吸血鬼が悲鳴とも絶叫ともつかない声を上げて灰へと還った。
 そしてちょうどいいことに、吸血鬼たちは FORTH 10に気付いておらず、大量の銀の弾を浴び灰へと還っていった。
「大丈夫か!?」




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