てらさき雄介の日記
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2006年02月10日(金) 中田市長の再選出馬と議会

中田宏横浜市長が3月末の市長選挙に、再選を目指して挑戦することを表明した。規定のことなので当然との受け止め方が大勢だったが、むしろ表明に至る経過と手法が注目されていた。

全国の多くの市長は市議会で議員の質問に答えるというカタチで、再出馬表明をすることが多い。相模原市長も過去2回そうしてきた。

ただし中田市長は前回の市長選挙で、現職の全党相乗り市長に対抗し立候補した経緯がある。故に当選したという見方もある。故に表明の際は、別の手法を採るのではと期待もしていた

このことは市政の優劣を測る指標にはならないが、市長と議会・政党の関係を点検する上では大きな要素だ。

中田市長は議会との円満な関係を志向しているのだ。市長として行政運営を進める時、「車の両輪」という意味ではその方が良いのも理解はできる。

しかしながら地方議会のオール与党体制がもたらしてきた弊害は大きい。中田市長もそれを打ち破ったところに前回選挙での勝利と、その後の各種改革があったのだ。

さて当時は反目だった議員の多くが、現在中田支持を打ち出していることは、この世界では珍しいことではない。その逞しさ面の皮の厚さは、皮肉でなくさすがとも言える。

いまだに知事と議会の抗争が収まらない県議会と比較して、横浜の方が“大人だ”と言う人も少なくない。

しかしながら知事と議会は「車の両輪」であると同時に「相互監視機関」である。二元代表制の価値はここにある。特に議会は常に野党的な目で、執行機関である行政を見つめなければならない。

今回のことは筋からすれば、市長たる中田氏に言うべきことでない。あり方として不正常でもないし、間違っているとも言えない。

しかし些か拍子抜けしたのも事実だ。中田氏は過去日本に例がないニュースタイルなので、今後この先に私の想像していない姿が待っていると期待するしかない。


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