てらさき雄介の日記
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横浜事件の再審が免訴となった。当然原告は控訴するらしい。拍子抜けの判決だ。
裁判所の出した結論には、一部理解できる点もある。治安維持法の廃止は明確な免訴理由になる。しかしでは再審決定は何の意味があったのか。裁判所や管轄の違いだけでなく、司法全体としての判断としては疑問が残る。
また免訴理由のなかの‘言い訳’もよくわからない。「免訴自体が被告の名誉回復の妨げとはならない」という趣旨だ。確かに別の手段で名誉回復は可能だが、それでは根本的解決にならないからこそ再審請求をしたわけだ。
更には被告に対する当時の裁判が不当であったことは、この‘言い訳’からも滲み出ている。ならば無罪をと思うところだが、やはり裁判において先例を越えることは容易ではない。
検察官の姿勢も残念だ。何も免訴を主張し、当時の特高の方を持つ必要はない。戦後の警察(検察)機構は対国内には、既に別の概念による別組織なのだから、黙って見てもよかったのではないか。ここにも如何わしさを感じた。
この裁判に関心があったのは、言論の自由を保障することを、国が時代を越えてどう考えているかだ。結果そこまでの考慮はされなかったが、控訴審についても注視していきたい。
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