てらさき雄介の日記
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2006年02月05日(日) |
単騎千里と天安門事件 |
「単騎千里を走る」を見た。前評判通り良い映画だ。高倉健あっての映画だが、同時に多くの点で中国映画でもある。中国でも多くの人が見ているとのこと。嬉しいことだ。
映画からは、人間同士の共通の愛情が伝わってくる。中国との関係が微妙な時期だからこそ、出来るだけ多くの皆さんに見て頂きたい。
さて政府同士の摩擦が、相互の人々に及ぼす悪影響は深刻だ。中国で働いている友人などからも、仕事がしにくくなったと話を聞く。
最大の貿易相手国としての経済関係も無視できないが、この映画で見るような人間同士の友好関係が、これによって損なわれていくのが悲しい。
さて政府‘同士’と書いた。今日は中国政府に対する意見を書こう。中華人民共和国の政府は中国共産党の指揮下にある。地方政府でさえも、上層部は共産党員によって占められる。
統治能力においては他国共産党と比べれば郡を抜いているが、所詮は民主主義以外の価値観によってなる政党だ。その基本姿勢も指針も、彼らの言うところの人民の意思を集約して作られたものではない。
そして天安門事件だ。私が高校3年生の時だった。当時衝撃を受けただけでなく、現在に至るまで拭い難い中国共産党に対する不信感を植え付けた。
現在改革開放路線を歩んだとしても、それは国力増強を目指したもので、そこに暮らす人々に焦点をあてたものではない。
またチベットやウイグルなどを軍事力によって統治する帝国主義的やり方は、甚だ時代錯誤であり世界平和を阻害する要因となっている。そういう意味ではアメリカとよく似ている。
さてだから日本がどうするかだ。「内政干渉」という言葉は、中国やアメリカのような大国が小国に横槍を入れることを戒めるには有効だが、すべてにおいて自国内なら何をしてもいいとはならない。
現に南アフリカのアパルトヘイトは国際社会の圧力で廃止できた。また議論は分かてれるが、現在イランの核問題が国連安保理扱いになった件も同様かもしれない。
「単騎千里を走る」に出てくる刑務所長のような愛すべき人材もいるのだろうが、多くの人権侵害が中国内でおきている実態もある。これらについては日本もしっかりと発言していくべきだ。
さて今日は中国に対することだけを書いた。政府‘同士’のもう片方は、他ならぬ日本政府だ。これについては次回以降に譲ろう。
政治に携わっている一人として、日中友好に対する責任を改めて認識した。そして日本人の一人として、政府‘同士’がどうであれ、人間同士の友好関係をつくっていくべきと思った。
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