Title...ハッピィ*デイズ By...あみ      
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旅記28〜チベット・ナムツォ編(前)〜「雲が掴めそうな青い湖で昼寝」
2004年10月04日(月)
旅記28〜チベット自治区・ナムツォ編(前)〜「雲が掴めそうな青い湖で昼寝」

8/12。ナムツォに向け出発。
ちゃんと起きれたよー!もちろんバスでは寝る気満々で。
昨日の夜話込んでた時には、もしかしたらバスは全員日本人かもと思ってたから
伝言ゲームやしりとりなど、遠足気分で盛り上がるかっていう計画を立ててた。
でも実際には他の宿の参加者も混じってたみたいで、西欧系や中国人も混じって。
そんなアホな計画は実行されないまま終わってしまいましたー。
バスで寝てたんだけど、窓からの冷気が腰の服とズボンの隙間に入って寒い。
みんなウィンドブレーカーとか着込んでるのに、うち一人薄着なのさ・・・。
行くのに7時間くらいかかるんだけど、半分以上がボコボコ道。
寝てられなかったね。バスの天井に頭ぶつけそうなくらい跳ねた。
中国に来てからずっとお腹の調子が悪いという(きっと中華の油のせいね)
少年くんは、今回も調子が優れず気分悪くなってバスの中でも寝込んでた。

途中でバスがだんだんゆっくりになって、とうとう道の端に止まった。
そう、予想通り故障。しかも今回はパンクという珍しいケースだった。
予備タイヤは溝が磨り減って無くなってて、むしろこっちの方が
危ないんじゃないかっていうような代物。これで大丈夫かいな。
修理中も外に出てたのは数人しかいなかった。だって寒いもの。
でもうちは気持ちが良くて、自然を感じられるから外で駆け回ってた。
あまりの寒さとうちの薄着さに、優しい旅人さんが毛布貸してくれた。
ジャッキって中に人がたくさんいても普通に持ち上がるもんなんだね。

途中、地元民によるホーストレッキングの激しい勧誘もあったりして。
7時間程でやっとナムツォに到着!途中山の頂上から湖が見下ろせて、
もうすぐ着くぞって思ってたのにそこからがかなり長かった。
宿はテントが沢山張ってあって、どこも似たり寄ったりなんだけど
そこから選んだ。なかなかいいじゃん!って思ったらそれは40元で
安いテントは30元だった。で、値切って結局25元。hai keyiってとこか。
トイレもシャワーも無いって聞いてたから、みんな覚悟はしてたんだけど
本当に無かった。シャワーはいいとしてトイレは少し困る。
でもしばらく探索してたら見つけた。ナムツォ式トイレ。
岩陰に板が通してあって、入り口に小さな看板がついてるの。
「没有人」っていうのをひっくり返すと「有人」っていう表示になる。
中についてはノーコメントこの上ないんだけど、見た目がおもしろい。
1時前だったから、昼ごはん食べてから散策することにする。
日本人メンバーは全部で8人。テントでお茶飲みながらお菓子で済ませる。
まだ何もしてないのに来るだけで疲れてて、ぼーっとしてた。
待ちきれなくて、一足先に出発。まずは湖のそばに行ってみることにした。
みんなついてくるかな?と思ったら来ないし、自由に個人行動だったみたい。

ここ、ナムツォは青海湖についで中国で二番目に大きな湖。
高度的には一番高い場所にある湖で、天の湖っていう呼ばれ方もしてる。
高地だから雲がすっごい低い場所にあるのね。手が届きそうなくらい。
湖や地面すれすれに雲があるから、立体的だしくっきり影が映ってる。
湖は有り得ないほどの水色をしてて、光によってキラキラ色を変えてる。
背景の山々にはもちろん雪が積もってて、青と白のコントラスト。
地面には草花が咲いてて、チベットの旗が重なり合ってはためいてる。
ナムツォのシンボルでもある大きな二つの岩が、自分を迎えてくれてる。
今回の旅行で景色が一番美しかった場所が九塞溝なら、二番目に入るな。

まず湖の傍に行ってみたんだけど、波が打ち寄せててまるで海みたい。
手前がうすいエメラルドグリーンで、奥が濃い水色って分かれてる。
境界線を引けるくらいはっきりと分かれてて、なんでだろうって思う。
人はあんまりいなくて静かで、自分のペースでのんびり出来る。
しばらく散策したら、今度は丘の上に登って湖を見下ろしてみることにする。
テント型のチベット旗を越え石段を登っていくと、ヤギがこっち見てた。
ヤギは岩の上を軽々と飛び回ってたのに、うちは数歩で既にバテる。
ラサよりも更に高山高地なので、階段は本当にキツい。はぁはぁ。
途中にはチベット旗が何百、何千と風にはためいて色とりどり。
何年も前の色あせた旗から新しい旗まであって、今までの歴史を感じる。

やっと一息つける場所に来たら、本当に綺麗に湖が見渡せた。
湖は真っ青で、煌めいてて、草が萌えてて、雲がもっと近くて。
裏側にも湖があったんだけど、こっちの方が色が濃くてまた違った感じ。
同じバスの旅人何人か抜かしながら、どんどん登って行った。
もちろんちょっと歩いては休憩、歩いてはまた休憩、だったけどね。
軽く工事してて手すりや展望台作り始めてたけど、無いほうが絶対良いのに。
というか、むしろあったら眺めが少し悪くなる気がした。分かんないのかな。
てっぺんに行くまでかなり時間かかって、引き返そうかとも途中で思ったけど
最後まで来て良かったと思う。360度近く湖が見渡せて美しさに溜め息が出る。
雲が近いって言ったけど、本当に湖すれすれで重なってるかもってくらい近い。
けど、もやもやした感じじゃなくてはっきりとした形を保ってるの。
手を伸ばしたら届いて、雲をちぎって掴めるんじゃないかって気がするんだ。
端っこの岩場の方まで行ったら、そこで寝っ転がってお休みタイム。
ラサ以上に寒いのか暑いのか分からない気候なんだけど、
(高度が高いので寒いんだけど、日差しが強すぎて暑い気もする)
寝っ転がってると、日差しのギラギラさを直に感じる。

しばらく休んでのんびりしたら、またナムツォ探検を再開。
今まで来た道を戻るのは面倒だし、せっかくここまで来たんだしと思って
岩場近くの崖を下りて、湖畔をぐるっと周って戻ることにした。
源義経も鹿が駆け下りた崖を馬で駆け下りたし、と思ってね。
でも。現実はそんなに甘いもんじゃなかった。死ぬかと思った(^^;
岩場はさすがに無理だったので、傍の砂地に草が生えてるところを選んで
ゆっくりソロソロ下りていったんだけど、ここもやばかったんだよなー。
とりあえず傾斜がキツかったので、転げ落ちないように注意してたんだけど。
砂がやけにサラサラで滑る滑る。ズザサーーッッって勢いで滑ってる。
足場もしっかりしてないから、気を抜くとスキーみたいに止まらないの。
何回か転げかけて手のひら擦り剥いたり。うぁー負傷したよー(泣)
にっちもさっちもいかなくなって動けなくなって、戻りたくてももう遅いし。
やっと下を通りかかった人に「おいおい大丈夫かよ」みたいな感じで
見られてたけど、どうしようもなく。いつの間にか行ってしまった。
距離があって高かったから、滑って落ちたら助かるか分かんないよコレ・・・。
生きるか死ぬかの瀬戸際で、かなり必死だった。いや、まじでね。
やっとのことで辿りついた時には少しふらふらになってた。ふう。

湖畔は、これもまた綺麗としか言いようがなかった。
さっき見た所よりもずいぶん奥にあるからか、人気もないし自然いっぱいで。
水の透き通り度が半端じゃない。薄い水色で底の小石までくっきり見える。
日がだんだん傾いていくにつれ、湖畔の反射光もキラキラ度が増してる。
キラキラ、キラキラ、眩しくて目を細めちゃうくらい。
途中には小さな池と周りの小道や、湖の中に立つチベット旗の三角タワーや、
何十もの石が積み上げられた搭が何個もあったり、おもしろいの。
気持ちがいいから、波の音を聞きながら湖畔の石場の上でも寝っ転がってた。
しばらくしたら誰かが近づいてきて、急に話しかけられた。
「大丈夫?」「(ん?何だ?)あ、大丈夫です」
「さっき崖を下りてたでしょ、下から見てたよ。本当に大丈夫なの?」
ああ、分かった。さっき崖を下りてるとき下を通りかかった青年二人組みだ。
こんな所で寝っ転がってるから、負傷して倒れてるのかと思われたのか。
中国人旅行者だった。見ず知らずの他人なのに心配して貰ってありがたい。
二人ともうちがあんな所を下りてるのを見て、かなり驚いたらしい。
大丈夫?大丈夫?っていう言葉を連呼され(おそらく10回以上は言われた)
やっとのことで去っていった。少ししか話してないけど良い人たちでした。
そうやってゆっくり湖畔周りを戻って行きました。
次回もナムツォ編。夜は満点の星!!!



 
 
 
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Arranged by Ami