diary/column “mayuge の視点
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たかがセックス、されどセックス。

 一億円のために、他の男と寝れますか?

 これは、今夜テレビで観た映画『Indecent Proposal(邦題:幸福の条件)』が投げかけていた問い。

 訳あって金に困った若い夫婦が、なけなしの金をはたいてラスベガスのカジノで勝負するものの、すってんてんに。ところがそこで偶然会った大富豪から「奥さんを一晩100万ドル(約一億二千万円)で買いたい」というオファーを出され、悩みに悩む。二人の夢を実現するには、どうしてもお金がいるのだ。ちなみに奥さん役は、若かりしデミ・ムーア。

 「お金と愛、どちらをとりますか」というようなもんで、言ってみればありがちな「究極の選択」なんだけど、この映画、「これがもし自分の身に起こったら……」なんて考えさせるように仕掛けられているんだよね。

 まず、その金額設定が妙に「現実的」。最近は、サッカーの母国イングランドの名門プロチームを、ロシアの成金が「道楽で」ポンと買っちゃうような時代だからね。そんな大富豪だったら、一億くらい一晩で使っちゃっても屁でもないんだろう。

 それともう一つ、大富豪を演じているのがロバート・レッドフォード(笑)。もしそれがデブでハゲの脂ぎった中年男だったら、「そんなお金、なかったものだと思いましょ。私たち、力を合わせれば一からやり直せるわ。
(だってこんなのとしたくないもん)」ということになるんだろうけど、「これだったら寝てもいいカモ(うふ)」なんて無意識に思わせるような仕掛けになっている訳なんだよね。

 で、この映画では、二人とも欲に目がくらんで?そのオファーを受け入れることに……。事が済んで自宅に戻った二人は、案の定ギクシャクする。旦那は疑心暗鬼になって、その夜何があったのかを知りたくてしかたない。

 「したのか、しなかったのか? どうなんだ?」
 「ああしたわ、ただのセックスよ。愛のない、ただのファッ●だったわよ」

 すると旦那はさらに逆上。

 「ぬあにぃ〜!? ヤツのセックスはよかったのか、えっ?」

 ここで奥さん、「Yes」だって(笑)。おいおい、それ言っちゃ〜おしまいよ(寅さん風)。「したけど、最悪だった」程度にしておけば賢いのに。しかもこの後、「あなたのためにした」というようなことを言うので、観てて親指が下を向いちゃう(Booo!)。そんな論法は、天地がひっくり返っても成立しないでしょ。結局、自分がしてもいいと思ったからした以外の何ものでもない。本当に嫌だったらしないはずだしね。

 100万や200万じゃなくて、一億円だもんなー。男でも女でも、そう思う諸氏も結構いるんじゃないかなとは思う。でも、これは金額の問題じゃないよね。そんな金、最初からなかったと思えばいい話。迷う余地ゼロ。

 自分に照らしてみると、そういう時、「俺は行って欲しくないけど、あとはお前が決めろ」みたいに変に相手の自主性を尊重せず、自分の気持ちのままに「行くな」って言える男になりたい。これ、努力目標。

 弱いからなー、俺(笑)。

 さあ皆さん、あなたならどうしますか?

2003年08月18日(月)

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