DOTFAMILYの平和な日々
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2011年05月13日(金) |
片付け読書ノート25/26: 魂萌え |
桐野夏生著 新潮文庫 平成18年12月1日発行 ISBN4―10―130633-8/4-10-130634-6
10年間もダンナに愛人がいて、気がつかないということがあるのだろうか・・・あるのだろうなぁ。
ダンナが浮気をしているのではないだろうか、と疑ったことは一度も無い。ダンナが私に嘘をついているのではないかと思ったことも無い。完全に信用している。信用できない人とは一緒に暮らしたくない。(愚息は例外・・・仕方あるまい。)会いに行く友人が女性だったとしても、「いってらっしゃい」と快く送り出す。私だって男友達はいるのだから、ダンナに女友達がいても問題あるまい。
以前、友人から「男は誰でも絶対に浮気をする。」と言われたことがある。その時は「そうなのかなぁ。」と思ったけど・・・すぐに忘れた。
先日、ダンナの友人から電話がかかってきて、「いません。どこに行ったか知りません。何時に帰ってくるのかわかりません。」と言ったら、「ものすご〜く良い奥さんですねぇ。」と感心された。ダンナがどこで何をしているのか知らない妻は、良妻ではなく悪妻だと思っていた。
そんな私に対してなら、10年間くらいかる〜く愛人がいることを隠すことはできるだろう。でもね、ダンナを疑って暮らすより、だまされた方が良くね?
主人公の夫が死んだ後、10年間付き合っていた愛人がいることが発覚した、という部分で、そんなことをちょっと考えただけで、これはこの本の主題ではない。主題は・・・若くもなくまだ老人でもない女性(59歳)が突然夫に先立たれたらどうするかだ(と思う。)これは人事ではない。私はダンナより7歳年下だが、ダンナより先に死ぬと信じていた。イヤ、今でも信じている。ダンナは長寿の家系だし、大病を経験しているので、自分の健康に非常に敏感で、医者の言いつけもちゃんと聞くからだ。だから、ダンナに先立たれたらどうするか、など全く考えてなかった。でも、私が先に死ぬ保証なんぞどこにもない。
・・・マズイ。ダンナが先に死んだ時のことも考えなくては。
と不安にさせられる本であった。完全に感情移入して読んじまいましたな。私は主人公のような良妻賢母ではないけど、世間知らずというところは同じである。出かけることはスーパーマーケットくらい、というのも同じ。ああぁ、やっぱりマズイ!
この桐野夏生という作家の本、以前読んだことがある気がする・・・何だっけ?
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