DOTFAMILYの平和な日々
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昨日は卒業式だった・・・私の。
思い起こせば、アメリカに住んでいるくせに余りの英語の出来なさにうんざりして、授業料が安いコミュニティ・カレッジで英語を学ぼう!と決意したのは4年前のことであった。外国人が大学で勉強するための英語のクラスを終了し、大学の一般教養のクラスを取りながらコンピュータのクラスの手を染めた。おかげで、仕事の量が増え、フルタイムの学生からパートタイムの学生に変更してクラスを取り続け、腰を痛めて一学期休んだりしたこともあったが、続けていたら単位が溜まって・・・この度、卒業証書が頂けることになった。
いや、卒業単位は去年の秋学期に終わっていて、今年に入ってから卒業証書は郵送されて来ていたのだが、卒業式は年に1回、6月にしかやらないので、秋学期に卒業した人は次の年の卒業式に参加することになる。卒業証書さえ頂ければ、卒業式なんて出なくても良いし、専攻が違うとはいえ、今更準学士を貰ったって意味は無い気はするのだが、アメリカで自分の卒業式とやらに出たことは一度も無いので、ちょっと経験してみようか・・・なんて思った訳である。何事も経験である。参加してみなくてはわからない事もある。
何度も繰り返すが、私が通っているコミュニティ・カレッジは誰でも入れる公立の短大である。18歳以上であれば文字通り誰でも入れる。高校を卒業している必要すらない。高校を卒業していない人の場合は、高校卒業資格を取るところから始める。英語がわからない人の場合は、外国人のための英語のクラスから始める。(何故かこのクラスにアメリカ人が紛れ込んでいることもある。)車椅子を使っていようが(車椅子を使っていても勉強には全く差支えがないので、そういう人はたくさんいる・・・キャンパス内は完全のバリア・フリーである。)、耳が聞こえなかろうが、学習障害があろうが入れる。もちろん、年齢、性別、人種、宗教に制限は無い。当然、卒業する人の人数は入学する人の人数に比べると恐ろしい位少ない。
さて、卒業式中に成績優秀者、一流大学に編入が決まった人、頑張った人などが紹介される。といっても、全科目Aを取った人(10人以下・・・ちなみに私もその中の一人である・・・ちょっと自慢)や一流大学に編入が決まった人は、個人の名前が呼ばれるのではなく、一斉に立ち上がって拍手・・・で、お終い。が、頑張った人というのは個々の名前が呼ばれ、その人がどれだけ頑張ったが紹介される。紹介される人達は、事前に連絡を受けている。(中には嫌がる人もいるので。)決して紹介されたいとは思わないが(あんな所で目立つのは絶対にイヤだ!)私だって、学生にしてはかなりの歳で、英語が外国語で、それでも全科目Aで、結構頑張ったと思うんだけどなぁ・・・などとちょっとだけでも思ったこと自分が恥ずかしい!
南アフリカから弾丸を搔い潜ってアメリカに脱出し、公園で空缶を拾って、ファースト・フードの残り物を貰い、公園の水を飲んで飢えをしのいでいたのを助けられ、頑張ってコミュニティ・カレッジを優秀な成績で卒業し、奨学金を貰って一流大学へ進むことになった学生。幼児虐待を受け性格がおかしくなっていたけど、これじゃいかんと一念発起してコミュニティ・カレッジへ行き、高校卒業資格を取ることから始めてこれまた奨学金を貰って一流大学へ進むことになった学生。ギャングのメンバーになって高校をドロップ・アウトしたけど、思い直してコミュニティ・カレッジへ行き、高校卒業資格を取ることから初めて、この度四年制大学へ編入が決まった学生。小さな頃から孤児院をたらい回しにされ、犯罪に手を染めて刑務所にも入り、出てきてからコミュニティ・カレッジに入り、これまた高校卒業資格を取ることから初めて、この度大学を卒業して立派な会社に就職が決まった学生。勉強や学校が嫌いでたまらなかったのが、脳に傷害があったことが判明し、在学中に3度も脳の手術を受け、長年かかってやっと卒業までこぎつけた学生・・・まだ若い(といっても二十歳前後の学生ではない)のに凄ましい人生を送ってきた学生達が全部で10人ほど紹介された。私の斜め前に座っていた脚が不自由なだけでなく、他に重度の障害がありそうな電動車椅子に座っていた学生は、紹介されなかった。手話の通訳がついている学生達も一人も紹介されなかった。
いやぁ、若者達、頑張ってるねぇ!
しかし、これこそがコミュニティ・カレッジの良い所である。過去がどうであれ、成績どうであれ、国籍がどこであれ、コミュニティ・カレッジは勉強したいと心から願っている学生達をサポートする。(反対に、成績がどんなに良くても、やる気がない学生は無視される。)これって素晴らしい制度だと思う。この素晴らしい制度が予算削減のために縮小されていくのは非常に心が痛む。
彼らには心から「卒業おめでとう!」と言いたい。自分が卒業した事なんでどうでも良いが、彼らの卒業は涙が出てくるほど嬉かった!そういう学生達と一緒に学べた事をとても嬉しく思う。
ちなみに、本年度卒業した学生達の中での最高年齢は73歳だった・・・うん、私はまだまだ若い!
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