DOTFAMILYの平和な日々
DiaryINDEX|past|will
| 2002年05月24日(金) |
今時の若者1:帰国子女編 |
昔々、私がまだ学生だった頃・・・ 私が行った大学はインターナショナル・スクールなるものが付属していて(付属という言葉は間違っているかもしれない。どっちがどっちに付属しているという訳ではなかったのかも?)、そこから上がってくる学生達はキャンパス内で英語でおしゃべりをしておった。 トイレなんかで楽しそうに英語でおしゃべりをしている連中を見ると「ええのぉ」と羨ましく思ったものである。 彼女達は帰国子女であった。
先輩の一人に父親が海外赴任したことがある人がいた。 母親と妹は父親についていったのだが、彼女は当時高校生だったので一人日本に残った。 妹の英語は一時帰国する度に上手くなっている。 最終的に帰国した時、妹は英語がペラペラであった。 「いいなぁ。私も行けば今ごろ英語でこんなに苦しまなくても良かったのに。」とその先輩は良く言っていた。
今でも英語が全然わからないでアメリカに来た駐在員のお子さん達は、あれよあれよという間に英語が上達していく。 それに対して母親の英語はというと・・・あっと言う間に上手くなる人もいれば、全然ダメという人もいる。 「若い子はすぐ英語が上手くなって良いわねぇ」という声をあちこちで聞く。
しかし、彼らは若いから上手くなるのだろうか? アメリカに住んでいるから英語が上手くなるのだろうか? 確かに若い方が記憶力があるというのは事実だろう。 が、彼らは自覚のあるなしにかかわらずもの凄い苦労をしているのである。
彼らはアメリカに着いてすぐ、英語を全く知らなくても英語で勉強を教える学校へ入学するのである。 我々大人は多少なりとも英語教育を受けている。 全然しゃべれなくても聞き取れなくても、hamburgerとかeggとかcar位なら読める。
しかし、小学生高学年、あるいは中学になったばかりの全然英語を知らない子が突然英語しか使わない学校へ入るのである。 しかも、これは本人が望んだことではない。 「このチャンスを利用して外国の言葉及び文化を学ぼうではないか!」という志の高いお子さんも中にはいるだろう。 しかし、「えっ?何で私がアメリカの学校へ通わにゃならんの?」と思う子もいるのではないだろうか?
例えば・・・私はイタリア語が全然わからない。 そういう国や言語があるということは知っているが、言葉は全く知らない。 で、イタリアに行って小学校なり中学校なりに通いなさい、なんて突然言われたら、あっさりと「イヤ!」と言ってしまうであろう。 その苦労・・・考えただけでゾッとする。
そういう苦労を乗り越えて彼らは英語が堪能になって行くのである。 簡単に「アメリカにいたから英語がしゃべれるようになって良いわねぇ」なんて言えるもんじゃないと思う。 確かにチャンスには恵まれていた。 だからといって苦労がなかった訳ではない。
カルチャーショックを乗り越えて英語がペラペラになって帰っていく若者達。 しかも、日本語力は維持したままである。 つまり、同時に日本語の勉強も続けていたわけである。 何年アメリカに住んでいても英語が上達しない上に日本語力が低下している私は、心から彼らを「偉いなぁ」と思う。
帰国シーズンなのでこういうことを考えてしまった。
|