2024年11月06日(水)
*カッコウの子育て戦略とは… 「グーグル検索より」 わたしたちは動物のことをぜんぜん知らない! かわいい、怖い、賢い、頭が悪い、 汚い、ずるい――人間が動物たちに抱いているイメージは果たして本当か? カラス の研究者である松原始氏が動物行動学の視点から、動物たちにつきまとう「誤解」8ずる賢い、ハトは頭が悪い、サメは獰猛だが… 自分で巣を作らず、8も抱かないカッコウは普段は森林にいるが、托卵 (たくらん)する時は草原にやって来る。そして、オオヨシキリなど、托卵相手 (宿主)を探して飛ぶ。カッコウのメスは周到に宿主を観察しているらしく、 ちゃんと宿主が産卵し始めた頃にやってきて、宿主のいない隙を見計らい、産んで ある卵を1個抜き取ると、代わりに自分の卵を産み込んでゆく。
カッコウは総排せつ口(鳥は糞も尿も卵も出口が同じで、総排せつ口と呼んでいる) が伸びるようになっており、巣の縁に止まった状態で巣の中にちゃんと卵を産み 落とせる。というのも、カッコウはハトくらいの大きさがある鳥で、宿主である オオヨシキリはヒヨドリよりも小さく、全長はカッコウの7割ほどしかないのだ。 カッコウがオオヨシキリの巣に座り込むのは難しい。
さて、カッコウの托卵が極めてアーティスティックというか、信じられないほど 技巧派なのは、ここからである。まず、カッコウの卵は体の割に小さい。これは 宿主に合わせた結果でもあるし、子育てを丸投げした結果、できるだけ数多くの 卵を産みまくるためでもある。そして、卵の色模様は宿主の卵に似せてある。 托卵だとバレたら卵を捨てられるか、巣ごと放棄されるから、宿主の卵になり すますのは重要だ。
カッコウの卵は宿主の卵よりほんの少し早く孵化するが、生まれた雛が真っ先に やるのは、後ろ向きに巣の中をヨチヨチと一周し、背中に触るものを全部外に放り 出すことである。これは多くの鳥の雛が持っている、糞や卵殻を排除して衛生状態 を保つ行動が元になっているようなのだが、カッコウの雛ではこの行動が徹底する。 結果として、自分以外の、孵化寸前だった宿主の卵を放り出して皆殺しにし、 巣を独り占めする。
それから、本来4、5羽の雛を育て上げられるだけの給餌努力を一身に受けて、 親よりも大きく成長する。ところが親鳥は「自分の巣にいる」「黄色い口を開けて 餌をねだる」という二つの刺激に操られて、餌を与え続ける。そして巣立った カッコウはやがて飛び去ってしまうわけだ。
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