お茶の間 de 映画
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2004年12月28日(火) 「カレンダー・ガールズ」慎ましやかで可愛くて愛情深いオバチャン、お婆ちゃんたちがセミヌードのカレンダーガールになった訳は?

『カレンダー・ガールズ』【CALENDAR GIRLS 】2003年・米
監督:ナイジェル・コール 
脚本:ティム・ファース/ジュリエット・トウィディ
撮影:アシュレイ・ロウ/オリヴァー・カーティス
音楽:パトリック・ドイル
 
俳優: ヘレン・ミレン(カレンダー発案者、クリス)
ジュリー・ウォルターズ(夫を亡くしたアニー)
シアラン・ハインズ(ロッド)
ペネロープ・ウィルトン(ルース)
セリア・イムリー(シーリア)
リンダ・バセット(コーラ)
ジェラルディン・ジェームズ(女性連盟ネイプリー支部長、マリー)
ジョン・アルダートン
アネット・クロスビー 
フィリップ・グレニスター
ジョージ・コスティガン 
グレアム・クラウデン 
ジョン・フォーチュン

ストーリー用ライン



1999年、英国はヨークシャーの、のどかなのどかな田舎町、ネイプリー。
この町の中年以上の女性はほとんどが女性連盟ネイプリー支部の
メンバー。本来は、女性の地位向上や教養の向上を目指す
全英の組織だが、ここネイプリーで毎週木曜日に行われている
会合は、町民の誰か1人に、スピーチをしてもらったり、手芸や
健康体操など、親睦を主な目的としたものだ。

なにしろ田舎町のこと。話題も乏しく、思わず居眠りしそうな話や
マニアックすぎて可笑しくてたまらない話がほとんどで、あまり役に立つ演説は聴けなかったが、彼女たちは週に一度のこの集会を
とても楽しみにしていた。

主人公のクリスは夫と花屋を営んでいる。高校生の1人息子、ジェムはちょっと難しいお年頃。でも陽気なクリスは息子のベッドの下のエロ本なんて気にしない。むしろ、ジェムのほうが、あっけらかんとしすぎている母親が不気味でならない。

1999年の夏。クリスの無二の親友、アニーの夫ジョンが
白血病で亡くなった。
常に太陽を探す向日葵をこよなく愛し、妻を慈しむ立派な男性だった・・・。
アニーには子供もおらず、火が消えたように沈み込んでしまう。

季節は秋に移ろい、そろそろ、女性連盟ネイプリー支部恒例の、
カレンダー制作のシーズンとなった。
例年、風景写真である。今度のカレンダーも、12の美しい教会を選びましょう、と支部長から話があった。

ジェムの自転車の修理に行った工場の壁に吊されたヌードカレンダーを何気なく眺めていたクリスは、閃いた!!

ネイプリー支部の今年のカレンダーは、自分たちのヌード写真に
したらどうかしら!?

50代以上のおばちゃん、お婆ちゃんばかりだけど、園芸家だった亡くなったジョンが言っていた。
女性はヨークシャーに咲く花に似ていると。
歳を重ねるほど、その美しさを増すのだと。

意気消沈しているアニーのために、何かできることは。
病院の待合室のソファ、堅かったな。
そこに肩を落として疲れ切って座っていたアニー。
不治の病の家族を抱えて病院でつらい看病をする町民のために、せめて座り心地のいい立派なソファを贈ろう。
そのために、カレンダーで資金を集めるのよ!

さてさて、このアイディアに賛成してくれる仲間はいるかしら?
家族は理解してくれるだろうか?
女性連盟はいかがわしいと眉をひそめるのでは・・・・。
でも、とにかく動いてみなくちゃ!
クリスとアニーはジョンの追悼のため、アイディアを実行に移そうとがんばるのだった。

カメラマンはどうしよう、スポンサーはつくかしら。
ああ大変!

カレンダーのために、家業の花屋をそっちのけで飛び回るクリスに
文句ひとつ言わない夫。だが・・・・。

小さな町だ。この騒動でマイってしまったのは、思春期のジェムだった。好きな女の子には嘲笑され、はしたない母親だと恥じ、
酒にタバコに、そしてついにはハッパにも手を・・・!

だがクリスは、動き始めた歯車に完全に巻き込まれ、家族をかえりみる余裕などない。
いや、違う、平凡な生活から飛び出した自分に酔い、チャンスを逃すまいと面倒ごとに目をつぶっているのだった・・・。

そんなクリスがアニーは心配だ。
否、心配を通り越して、怒りに変わってきてすらいた。

愛する家族が生きているのに、なぜほったらかしにするの、と。
ひとりぼっちのアニーには、歯がゆくてたまらない。

英国を飛び出し、全米に知られる存在となった11人の田舎のオバチャンたち。
でも、やがて思い知るのだ。商業主義の醜さを。

それでも、オバチャンたちは凹まない。当初の目的のため。
カレンダーは、想像を絶する売り上げを記録してゆく・・・!


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コメント用ライン


実にいい映画でした。
DVDの特典では、実際にカレンダガールとなったお婆ちゃんたちが登場して当時のことを回顧しています。
女優さんも可愛い人ばかりでしたが、実際のお婆ちゃんたちが
また、なんとも上品で慎ましやかで、お茶目で。

この実話を映画化したい、と感じた製作サイドの気持ちが
よくわかります。

あれよあれよというまにコトが大きくなっていく。
その一方で、夫に裏切られた妻がおり、思春期特有のモヤモヤに
追い打ちをかけられ困惑する少年がおり、そんな我が子と、冒険に夢中な妻を、慈愛の目で見つめる一家の主がいる。

有頂天になって家族をなおざりにするクリス。
チャリティーのためという大義名分が、いいわけになっていく。

アニーの、生きている家族をなおざりにするなんて許せないという
怒りと心配が胸を突く。
でも、クリスの計画は、自分が田舎町を飛び出したいという浮かれたものだけではなかったことを、後で知る。

追悼のためのソファ1つと家族の悩みだったら、比較にならないけれど、
天秤にかけてしまえるほどの大仕事になっていったのだ。

女の友情、家族というもの、商業主義というもの。
短い時間でよくまとまっているし、ちりばめられたユーモアが
とてもほほえましい。

元気がもらえて、優しい気持ちになれる佳作だ。

旦那さんとのセックスのときすら寝間着のままで裸を見せたこともないような、奥ゆかしいシワシワのおばちゃん、お婆ちゃんたちが、照れくさそうに乳首とお股を日用品でかくしてはにかんで
写っているカレンダー、とてもステキだ。


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ルー [MAIL] [HOMEPAGE]

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