2004年12月14日(火) |
「デューン/砂の惑星」若きカイル・マクラクランの貴公子ぶりにクラクラ。いかにこの作品が後世のSFに影響を与えたことか。 |
『デューン/砂の惑星』(劇場公開版)【DUNE(海辺の砂丘、惑星アラキスの通称)】1984年・米 監督・脚本:デヴィッド・リンチ 原作:フランク・ハーバート 撮影:フレディ・フランシス 特撮:キット・ウェスト 特殊メイク:ジャンネット・デ・ロッシ 音楽:ブライアン・イーノ/TOTO クリーチャーのクリエーター:カルロ・ランバルディ
俳優: 【アトレイデス家】 カイル・マクラクラン(アトレイデス家の世継ぎ、ポール) フランセスカ・アニス(ポールの母、道女ジェシカ) ユルゲン・プレフノフ(レト・アトレイデス公爵) デビッド・スチュワート(アトレイデス家の惑星学者、ガーニー) ディーン・ストックウェル(アトレイデス家の主治医、ユエ博士) リチャード・ジョーダン(アトレイデス軍の指揮者、ダンカン) フレディ・ジョーンズ(アトレイデス家、ハワト)
【皇帝】 ホセ・フェラー(表向き宇宙の支配者シャダム4世) バージニア・マスケル(シャダム4世の娘、イルラン) シルバーナ・マンガーノ(シャダム4世に仕える道女) 【ハルコネン家】 ケネス・マクミラン(飛ぶデブ、ハルコネン男爵) スティング(ハルコネンの甥、サディスト美青年、ファイド) ポール・スミス(ハルコネンの甥、巨漢、ラバン) 【砂漠の民、フレメン】 イベレット・マッギル(スティルガー) マックス・フォン・シドー(カインズ博士) ショーン・ヤング(カインズ博士の娘、チャニ) アリシア・ロアンヌ・ウィット(ポールの妹、アリア) ショーン・フィリップス(教母)
はるかはるか未来・・・・。 宇宙は、皇帝、ハルコネン家、アトレイデス家の三つ巴の睨み合いのただ中にあった。 皇帝すらも恐怖にひれ伏す魔獣ギルドは、この事態の収拾を皇帝に命じる。 ギルドは、ポール・アトレイデスの暗殺を命じた。
この血なまぐさい抗争の原因、それは、砂の惑星、アラキス。 一滴の水もないその星は、デューン(砂丘)とも呼ばれている。 巨大なムシ(宇宙ミミズ)があふれかえり、砂漠に隠れ住む民が 少数いるという情報しかない、 一見何の価値もなさそうな砂の惑星が、なぜ全宇宙の欲望の渦中にあるかといえば、全宇宙を探しても、アラキスでしか“香料”が採取できないからなのであった。
この“香料(スパイス)”は、人類に超人的な力を与え、驚異的な長寿や精神力(超能力)を与え、かつ、時空を折り畳み、不動のままのワープを可能にする超光速宇宙飛行に不可欠な薬物であった。
アラキスの統治権を巡り睨み合うアトレイデスとハルコネン両家。 皇帝は、ある目論みから時の統治者、ハルコネン家から統治権を剥奪、アトレイデス家にアラキスの統治を命じる。
アトレイデスの世継ぎが男でなければ、娘をハルコネン家に嫁がせて争いは避けられたはずだった。 そのため、ジェシカは娘を産むよう命ぜられていたが、 政略結婚でありながら深く愛し合う夫レトが息子を望んだため、 ポールを産んだのだった・・・。
ハルコネンの残党が残り危険な中、アラキスに移住を余儀なくされるアトレイデス家。
だが、到着するなり父レトは内部の裏切り者によって暗殺され、自らも消されそうになったポールは、気温300度の砂漠に棄てられようとする飛行機の中で、ついにその運命的な能力の一端である“声(ヴォイス)”を発動させ、危機を逃れる。
父の無念を晴らすため、そして身重の母を守り抜くため、ポールは 巨大ミミズの襲撃を覚悟で砂漠に逃走するのであった。
アトレイデスの血は絶えた、と上機嫌のハルコネン男爵。 皇帝も、覇権争いの終結に安堵、といきたいところだが・・・?
アラキスの南極に不時着したポールと母は、彷徨ううちに、 伝説の砂漠の民、フレメンに迎えられる。 ごく少数、点在しているだけと伝えられていたフレメンが、 地中に無数に隠れ住んでいたのだ。
奴隷として地表で少数が香料採掘のため働いていたのは敵を欺くための智恵だった。
フレメンは、この母子の不思議な能力に驚き、技を伝授してほしいと願う。 ポールも母も、宇宙から争いの火種を消し去るべく、このアラキスに平和をもたらずために惜しみなく協力を誓うのだった。
ムシの毒から精製される“命の水”の毒を克服し、新たな教母として君臨する母ジェシカ。教母のみが飲むことができ、精神力を増幅させることができる。 やがてジェシカは生まれながらの道女、アリアを産む。
男が飲めば、たちまち死に至るという・・・。 だが、伝説では、男にしか到達できない境地があるのだとも。 伝説の男、クイサッツ・ハデラッハだけが、死なずにその境地に達することができる、と・・・・。
まだ、今のポールには挑戦する自信はなかった。 でもきっといつか。そう他界した父に誓うポールであった。
香料の星の地底で暮らすうち、香料によって能力を増幅させてゆくポール。 だが、やがてポールは気づいてゆく。 この香料の正体を。そして、この星の平和、ひいては宇宙の平和のためには、何をすればよいかを。 それは、父の復讐のためのハルコネン家の討伐という次元の闘いではなかった・・・・。
フレメンを鍛え、フレメンに教えられ、やがてすべての試練を乗り越えリーダーとなったポール。 時は満ちた。 今、砂漠の民が立ち上がる!!!いざ、決戦!!!
打倒、ハルコネン家、打倒、皇帝。 そして砂の惑星に命を、人類に平和を。
リンチ監督のメジャーデビュー作であり、かつカイル・マクラクランのデビュー作でもある本作、当時で製作費120億、クルーは600人以上、エキストラは15000人以上という、B級という本来の意味からはきっとズレるんだろうと思うのだけど、 私がBというとき、そこにはオタッキーなまでの製作サイドの こだわりや愛を褒め称える敬意が混じっている(っていうか、大金とすんごい労力でよくこげな楽しいもんつくったね、なんてカッコイイの!?というリスペクトがほとんど)ので、B級大作、と呼ばせてくださいw
カイル王子さまは「ヒドゥン」で若き日のお姿を初めて見て、 ズキューン!とハートを射抜かれた美青年。 あ〜そういや、ヒドゥンでも地球外生物だっ(あ、ネタバレ
私が王子さま、とお呼びするのは、カイル・マクラクラン様と ルーファス・シーウェル様だけです。 黒髪で色白が条件ナリ(すげー主観
アトレイデス家は、ロシア皇族のような雰囲気の衣装と顔立ちの キャストで固めてます。気品があります。コッチが正義ですから。 色白の肌に漆黒の髪、母星は緑と水の豊かな惑星。
悪役となる残虐非道な上変態なハルコネン家は、名前はこいつらのほうがロシアっぽいが、赤めの肌にオレンジ系の髪、毒々しく赤い唇。ん〜?アメリカ人ぽいね? 母星は無機質な機械惑星。
スティングのブチキレっぷりとえっちなオーラ漂う半裸も見物。 それにヨダレを垂らし、美少年の生き血を吸う叔父役のケネス・マクミラン(特殊メークすごいけど)のホモおやじっぷりにも爆笑。
で、皇帝ですよ。「シャダム4世」さだむぅ?さだむ・ふせいん?? なくてはならないのに採取できるところが極度に限られている香料→石油 手に負えないいくらでもわいてくるムシ→ゲリラ シャダムもビクつくギルド→7シスターズ じゃない??
砂漠ですしね、聖戦ですね。まさに。 人物の名前も、小道具も、美術もイスラ〜〜〜ムな香り。
うわ〜。ロシアVSアメリカVS中東の三つ巴の糸ひく石油資本! SFって奥が深いのぅ。
で、ギルドなんですが、なんですか、あの ウサギ+ジュゴン+★※?◇▲+マーズ・アタック!の火星人=ギルド なお姿は(汗
あの縦に長い鼻?口?の穴が、ぴくぴくひくんひくんするの、 ウサギですからぁぁ!! でも脳に直接手足が生えてるような気もしますからぁぁっ!
すみません、ギルドのキモチワル可愛い姿に興奮してしまいました。
FF10の砂漠のサンドワーム、そのま〜んま、この映画の “ムシ”に色つけたもんだ〜(笑) でかさといい、ミミズっぷりといい。
あと、あのモジュールつけて気ではぁぁぁっっっ!!!って 波動でモノをブチ壊す技、格好がまんま、「かめはめ波」だぁぁぁ!!(笑)恐るべし、当時じゃとんでもない大作だったこの映画の影響力。
ポールが波動ビーム撃つたんびに、「か〜め〜〜は〜〜め〜は!」 と言って遊んでました。こういうバカは映画館じゃできませんね。
とにかく、この際、ストーリーはいいです。 中世の男爵と公爵と王家の派遣争いと、それに立ち向かう、神秘の力を持った森の民かなんかを、まんま宇宙の彼方、 西暦10000年以上の未来にもってきたわけで。
かなり登場人物も多いし、裏切ったり裏切られたり、ごちゃごちゃしてますが、(リンチのストーリーを語るのに、破綻がどうとかは禁句→参考:傑作「マルホランド・ドライブ」)
いや、この作品は、メジャーデビューの意気込みも万全、 とっても万人受けしそうな、細かいことを気にしなければ 充分に起承転結くっきりしたわかりやすいSFですね。
・・・あのスティル・スーツ。 仮面ライダーっぽかった。
あと、鼻栓。 「バトルフィールド・アース」の鼻栓は鼻毛っぽかったけど、 これは垂れてないですから、鼻毛には見えませんな。
いい勉強になりました(ぇ
蒼い瞳じゃなくて目(白目のトコまで蒼い)、海、なかなか印象的でした。
海で終わるSFって「ダークシティ」「13F」など、思い返すと けっこうありますね。 海って命の源でもあり、ミクロな小宇宙ですものね。
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