お茶の間 de 映画
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2004年11月08日(月) 「ダークシティ」 キーファーの挙動不審な科学者っぷりもナイス。異星人=地球征服、とは限らない。A・プロヤスの傑作B級SF。

『ダークシティ』【DARK CITY】1998年・米
監督:アレックス・プロヤス
脚本:アレックス・プロヤス/レム・ドブス/デヴィッド・S・ゴイヤー
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
 
俳優:ルーファス・シーウェル(ジョン・マードック)
キーファー・サザーランド(シュレーバー博士)
ジェニファー・コネリー(エマ/アンナ)
ウィリアム・ハート(バムステッド警部)
リチャード・オブライエン(異星人、ミスター・ハンド)
イアン・リチャードソン(異星人、ミスター・ブック)
ブルース・スペンス(異星人、ミスター・ウォール)
コリン・フリールズ(ワレンスキ警部)

ストーリー用ライン


“チューン”という、物体を自由に操れる(移動だけでなく変形、消滅、また無から生み出すことも可能)能力を持つ無形の異星人たち。

かつて繁栄を極めたが、種の絶滅の危機に瀕し、故郷を捨て、
地球に目をつけた・・・・。

レトロな雰囲気の英国風な街。時代は未来でも現代でもなさそうだ。国もはっきりしない。

男がバスタブで目を覚ました。
ひどい目眩。すべって金魚鉢を壊してしまう。
男はそっと金魚をすくい、冷え切ったバスタブにはなしてやる。

部屋の隅に、全裸の女の死体が!!螺旋状にナイフで体じゅうに
傷をつけられている。
自分が・・???

電話が鳴る。精神科医だというシュレーバーという怪しげな男からだ。逃げろ、とひどく怯えた様子で言う。

男はホテルから逃げ出した。
黒衣に身を包んだ蒼白で無表情な男や子供が彼を追う・・・。


男は記憶をなくしていた。彼の名はジョン・マードックであるらしい。財布の免許証でわかった。免許証の住所に行き、ポケットの
鍵で入ると、そこが我が家らしく、妻らしき美しい女性が不安そうな面持ちで見つめている・・・・・。

このところ、娼婦ばかり連続で6人殺され、体に渦巻き模様の
傷をつけられる事件が。ジョンは容疑者として警察に追われて
いたのだ。

怪しげな能力を持つ男たち(異星人)に追われ、ジョンは咄嗟に彼らと同じ能力、チューンで応戦し、逃げのびるのだった。


異星人のアジトでは、なぜ人間がチューンできるのかと大問題に。
彼らに協力させられている科学者のシュレーバーは、実験が失敗した、と弁解する・・・。

真夜中の0時。
チューンタイムが始まる。
突然、ジョンとシュレーバーを除くすべての人間が眠りに落ちる。
車も電車も止まる・・・。

異星人たちは全員の能力を結集し、街の姿を変え始めた。
ビルが生える。変形する。ぐにゃぐにゃと・・・。

そして街に出た彼らはあちこちに家に侵入し、人々の記憶を操作している・・・・。パズルのように・・・。

ジョンは、この街で何がおこっているのか、自分に何かおこったのか、失った記憶を取り戻そうとするが・・・・。

鞄に入っていた、一枚の絵はがき。
太陽の輝くビーチ。自分はそこで生まれ育ったようだ。
なんとかビーチへ行こうとするが、
ビーチ行きの路面電車も地下鉄もあるのに、何故かたどり着けない。
タクシーの運転手に訊いても、ビーチへの行き方は忘れたという。

警察も次第にジョンを追いつめる。

いったい闇が支配する薄暗いこの街で、異星人は人間の記憶を用いて何を成し遂げようとしているのだろうか・・・・・??

そしてジョンの運命や如何に。


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コメント用ライン


アレックス・プロヤスでSFといえば、最近では「アイ、ロボット」が大人気? このヒト、エジプト出身なのだね。
プロヤス=近未来ダークファンタジーSFのイメージを定着させたといわれる「クロウ/飛翔伝説」も絶対観たい。


いいねぇ、いいねぇ、このダークレトロな街並み。
「ロスト・チルドレン」を彷彿とさせる石畳のレトロな街並み、
人々の装い。

敬愛する王子(貴族役多いからw)、ルーファス・シーウェル様のお美しさも堪能でき、
キワモノ怪優(褒め言葉)キーファー・サザーランドの病的な
演技も楽しめる。
1人、ものすんごくクールにキメてるウィリアム・ハートが渋い。
そしてジェニファー・コネリーはあいかわらずぶっとい眉毛がお美しい。ジェニファーは、実は「フェノミナ」しか観たことがなく、
あの頃はまだ少女だったから、本作での上品な匂い立つ色香にうっとりw

異星人のみなさん、死体を借りたゾンビさんたちですから!
そこがすでにツボ。
どうりで子供がいるはずだ。
名前がまたたまらない。「手さん」「壁さん」「本さん」だもんな〜。

って、こんなことばっかり描いていると、おちゃらけ映画だと
思われる危険性が(汗

ラストにかけての緊迫感、「え・・・!?」と、うすうす予想はしていたが、やっぱり驚く展開、そしてカタルシスすらドドーン!と
味わえる、あの眩しいラストシーン。

人間を知るにはアタマじゃなくてハートを調べなきゃね。
でも心臓でも脳でもなくてね。

人間は、やっぱり海に惹かれるのだ。
あらゆる生命の源、母なる海に。

いつか丸くなるかもしれない、そう思いながら幸福な思いで
観終えたのだった。

仮想世界SFは「マトリックス」ですっかりメジャーになったけど、この作品は「マトリックス」より前だ。
予算もスケールもCGのレベルも可愛らしいものだが、
描かれているテーマは、本作のほうがしっかりしていないだろうか。

仮想でも、そこに生きている人には現実。守りたい。
その想いは、「13F」にも通じるものがある。
レトロな大道具小道具とSFの調和は、それにしてもなんと美しいのだろう。


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ルー [MAIL] [HOMEPAGE]

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