お茶の間 de 映画
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2004年10月29日(金) 「愛してる、愛してない・・・」裏アメリ。始まりはたった1本の薔薇の花。オドレイ・トトゥまぢ怖ぇ。ロマンス風味サイコスリラー。

『愛してる、愛してない・・・』【A LA FOLIE... PAS DU TOUT(狂おしいほど・・・ちっとも 英訳するとWith The MADNESS・・・AT ALLかな?)】2002年・仏

監督・脚本:レティシア・コロンバニ
脚本協力:キャロリーヌ・ティヴェル 
撮影:ピエール・エイム 
編集:ヴェロニク・パルネ 
音楽:ジェローム・クーレ
 
出演:オドレイ・トトゥ(画学生、アンジェリク)
サミュエル・ル・ビアン(心臓外科医、ロイック)
イザベル・カレ(ロイックの妻、ラシェル)
クレマン・シボニー(アンジェリクに恋する医学生、ダヴィッド)
ソフィー・ギルマン(アンジェリクの同僚、エロイーズ)
エロディー・ナヴァール(ロイックの診療所の受付嬢、アニタ)
 ナタリー・クレブス(ロイックに色目をつかう患者、ソニア)
 マティルド・ブラシュ(エロイーズの妹、レア)

ストーリー用ライン


ボルドー地方。アンジェリクは才能豊かな画学生だ。
身よりはなく、バーのウエイトレスやベビーシッターで生計を立てている。

ベビーシッターのお得意さんが、アメリカに1年間赴任することになり、空き屋となる豪奢な家に住み込んで管理することを任される。

アンジェリクはアトリエにもなる広い家をただで借りられることを喜んでいた。
実は、喜ばしくてたまらない理由はもっと別のところにあったのだが・・・・・・・。

さて、アンジェリクには熱愛中の男性がいた。
心臓外科医の中年男性、ロイックだ。
美しい弁護士の妻がいて、妻は妊娠中だが、離婚は秒読みだと
アンジェリクは強気だ。

今日は2人が出逢った記念日・・・。
彼は彼女に1本の薔薇を捧げてくれたのだ。恋の始まりの記念に、
アンジェリクは花屋に頼み込んで薔薇を1本、病院に届けた。
添えられたカードにロイックは微笑むのだった。

不倫の泥沼にはまっているアンジェリクを心配しているのは、バイト先の同僚のエロイーズだけではなかった。
医学生のダヴィッドも、彼女に想いをよせ、真剣に愛するがゆえに
既婚者との恋などあきらめろと説得するのだが、馬の耳に念仏・・・。

だが、なんだかロイックの様子がおかしい。
電話もくれないし、逢いに来てもくれない・・・。

やがて、ロイックの妻が流産した。
いい気味だとほくそ笑むアンジェリク・・・。

彼の妻は家出し里に帰ってしまった。
だが、フィレンツェで結婚しようという誘いもドタキャンして
連絡もくれないロイック。

アンジェリクは胸張り裂けた。
ダヴィッドにある恐ろしいおねだりをして、ロイックにお別れのプレゼントを贈った。

だがその夜、ロイックが女性患者を殴り告訴されるというニュースをTVで見たアンジェリクは、愛するロイックのため復讐を企てるが、裏目に出てかえって彼を窮地に追い込んでしまうのだった。

絶望したアンジェリクは・・・・・・・・・・。


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コメント用ライン


うおおおおお、怖ぇ。
ネタバレてますが、「執念のストーカー、彼女の名は裏アメリ」そんな感じですな。
オドレイ・トトゥでなければダメ。
ロビン・ウィリアムズの「ストーカー」(この邦題は大間違い)が
病的ではない哀しい空想ゆえの悲劇だとするなら、
本作はとっても病んだ激しい妄想ゆえの悲劇。

作品の段組は、ちょっと「ラン・ローラ・ラン」に似ていて
前半「愛してる」後半「愛してない」で同じ映像が繰り返される。

前半がアンジェリクの視点で描かれた、主観的な一連の出来事。
後半が、ロイックの視点で描かれた客観的な一連の出来事。

初監督作品はどの監督もかなり思い切った一回しか使えない手を
使うものだ。
ラストで映画に映っていない部分のシーンやセリフを見せて
真相を理解させる方法は珍しくないが、
冒頭のシーンからまるまる視点を変えて繰り返すのはあまりないかな。

そのため、くどくて飽きてしまう観客もでるのは覚悟の上か。
後半、冒頭のシーンが再度はじまって3分もすれば、事情がすべて
わかってしまうので、ちょっとその後がツラい。
アンジェリクの醜悪な行動が延々続くので、正直いえば途中はトバして、で、結局どうなりました? とラストだけ観たくなる。

頑張ってとばさず最後まで観ましたが・・・。

ラストシーンはもう、さぶいぼたっちゃうキモさ(私的には、です。なんて哀れな・・・、という感想を持つ方だって多いはず)。

空想は○ アメリは皆を幸せにした。
妄想は× だけど罰は受けず皆を不幸にした。

薔薇の刺は幸福な家庭をズタズタにし、女の頬をゆがんだ幸福に
薔薇色に染める。

いい恋愛をしようと思ったら、相手と会話しましょう。
一度深く愛し合うようになったら、言葉は要らない場合もあるかもしれませんが、会話しないと、1人相撲になっていきます。

ロイックは、妻とも、ダヴィッドとも、充分な会話をしません。
亀裂と被害はそこから拡大していってしまう。
彼も思いこみが激しかったということです。患者だと思いこんだ、受付嬢だと思いこんだ・・・。

恋の相手に、目を見て「愛している?」と利いてみる勇気、
ありますか?(怖
「っていうかおまえ、誰?」ときかれたら・・・・(汗



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