お茶の間 de 映画
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2004年09月14日(火) 「アタメ/私をしばって!」 P・アルモドバル監督の描くちょっとキケンな純愛♪若いA・バンデラスが可愛いw 

アタメ/私をしばって!【ATAME!】1989年・スペイン
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル 
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ 
音楽:エンニオ・モリコーネ
 
俳優:ヴィクトリア・アブリル(ポルノ女優、マリーナ)
  アントニオ・バンデラス(リッキー)
  ロレス・レオン(マリーナの姉、ローラ)
  フランシスコ・ラバル(監督、マキシモ)
  ロシー・デ・パルマ(ヤクの売人)

ストーリー用ライン


リッキーがついに精神病院を出る日がやってきた。
といっても実は病んではいなかったが、メシと女に不足のないここで暮らし、逃亡して外で遊んでは再び収監され、を繰り返して
23才。

入院中に配管工やら錠前屋やら、たくさん技術も身につけ、
中年の女院長からベッドでの奉仕のお礼に5万ペセタももらった。

意気揚々と病院を出た彼は、まず菓子屋でナイフを盗み、ハート型のチョコを買った。
向かう先は映画の撮影所だ。

楽屋に忍び込むと、カツラだの手錠だの現金だのたくさん頂戴し、
マリーナのバッグにチョコを忍ばせてご機嫌だ。
壁に貼ってある関係者連絡先もちゃっかり盗むリッキー。

かつてキャバクラ嬢だったりポルノ女優だったりしたマリーナ、
今はマキシモ監督のB級ホラー作品に主演している。
今日はラストシーンを撮る日だ。

打ち上げパーティの前に自宅に戻った彼女は、リッキーに押し入られ、監禁されてしまう!

暴れ叫ぶと殴りつけるリッキー。
強姦魔だと思った彼女は、ヤるならさっさとヤれば、と言うが、
犯しに来たわけではない様子。

リッキーの目的はマリーナの体ではなく、心だったのだ。
いい夫になるし、いい父親になる、お前がその気になったら抱く、
というリッキー。

かつてキャバクラ嬢時代に、客の1人としてバーで脱走中のリッキーと寝ていたのだが、マリーナはいちいち覚えていない。
だがリッキーは、彼女こそマイエンジェル、と一方的に決めていた模様。

マリーナにはいい迷惑だが、それどころじゃない切迫した問題が。
歯が痛くて堪らない。
しかも麻薬中毒者の彼女は、普通の痛み止めでは効かない。
ヤクでなきやダメだ。

逃げないよう彼女をベッドに縛り付け、密売人の元へ向かうリッキーだが・・・。

そんなこんなで数日が経過し、彼女の姉や仕事関係者は、マリーナが失踪したのではと心配しはじめる。

幾度となく脱走を試みるマリーナだが、次第に自分の本当の気持ちがわからなくなってくる。
逃げて、またエロ監督に弄ばれるかポルノ女優に後戻りか・・・。
それともここまで自分を愛してくれる男の愛に応えるべきか。
だが縛るような男なんて・・・。

ためらう彼女の決断や如何に。

楽天内ではDVD扱ってませんが、Amazonはじめ人気作です。


コメント用ライン


ストーリーはなんてことないのだが、細部が可笑しくてたまらない。
監禁といっても、暴力は最初のビンタ一発だけ。あとは縛っているという以外は女王様を扱うように紳士的(その矛盾が可笑しい)。

亀甲縛りとかぢゃないですよ。
ソッチを期待してわくわく借りてきたらエッチなシーンないやん!
と怒られそうなので、念のため。
手首を胸の前で交差させ、足首もお股開かせたりなんぞせず、
揃えて真っ直ぐ縛ってます。
縛りプレイが観たい方は、チャン・カイコー監督の『キリング・ミー・ソフトリー』でヘザー・グラハムが縛られてますんで、ソッチをどうぞw

縛るためのカラフルでソフトなヒモを探しに手芸店であれこれヒモを物色したり、中学生みたいにボッキしちゃったのをかがんで我慢したり、着替えを見ないように几帳面に後ろを向いたり、可愛い。
あの顔の面積に対して比率が大きすぎる巨大なお目目に、いかにも
どっかに収監されてましたっぽいスポーツ刈りがアブナさを倍増させている。

某国の某純愛ドラマに夢中な方にはこれのドコが純愛!?
とヒスを起こされそうだが、リッキーのアポローチは明らかに倫理的にマズいのだが、アブナいなりに一途。
地下鉄の路線図にたとえて人生設計図を書いてマリーナに説明するシーンはもう、可笑しいやら可愛いやら。

マリーナが彼の愛を完璧に理解するのは、セックスで。
無数に寝た男の中から、リッキーを体で思い出すのだ。
男と女は鍵と錠前。
一度ピッタリ合ったら、もう別の鍵では開かない。

ちょっぴりスリリングでちょっぴりエッチで、男女の仲はかくも
不思議と笑える。

そして、とびっきり陽気で後味のいい幕切れ。

ペドロ・アルモドバル監督が「オール・アバウト・マイ・マザー」で巨匠になってしまう前の作品群には、とてもお茶目なコメディがたくさんある。
色彩もとてもキレイだ。

※「トーク・トゥ・ハー」で虫唾が走ってしまった方は、アルモドバルの提示する純愛と相性が悪いはず、観ないほうがいいかも。

◆ えーと、あくまでも娯楽映画です。
好いてくれない女を好いてもらえるまで監禁したり縛ったりしちゃ
ダメですよん(爆


マリーナが縛ってほしかったのは(アタメ!=縛って)、肉体ではなく、浮き草のように頼りなく今だけを男から男へフワフワと
飛ぶだけの空しい心。

弱いから、縛られてないと逃げ出してしまう。
そうしたらまた何もかももとどおり、若さという夏が過ぎたら消える蝶。

無償の愛を与えあえるのは、今まで家族だけだった。家族がもう1人増える。陽気な歌声、明るいスペインの太陽。眩しい笑顔。
心底ホっとする。

ところで、男性諸兄、女性にみとれていて文句を言われたら
コレは使えるかもw
「見ているのではない。崇拝しているのだ。」(byエロ爺ぃ)
きゃーそんなぁw と感激されるか、バカにされるかは一か八かで責任は持ちません(笑)


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