お茶の間 de 映画
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2004年08月31日(火) 「スナッチ」 10人を越す主要登場人物+犬1匹に脳みそかき回されながら♪ジェットコースター式群像クライムコメディのケッ作!

スナッチ【SNATCH(かっぱらう)】2000年・米
監督・脚本:ガイ・リッチー 
撮影:ティム・モーリス=ジョーンズ 
音楽:ジョン・マーフィ
 
俳優:
★ダイヤ関係
  デニス・ファリナ(NYの宝石商、アビー、英国大嫌い)
  ベニチオ・デル・トロ(アビーの配下、賭博狂のダイヤ泥棒、4本指のフランキー)
  ヴィニー・ジョーンズ(アビーが雇った不死身らしい弾丸歯のトニー)
  サム・ダグラス(アビーの手下、ローズバッド)
 
  マイク・リード(アビーの従弟、ユダヤ人のふりするロンドンの宝石商、ダグ・ザ・ヘッド) 
  ニッキー・コリンズ(ダグの娘兼店員、アレックス)
  ティーナ・コリンズ(ダグの娘兼店員、スージー)


  ラデ・シェルベッジヤ(密売屋で不死身っぽいロシア男、銃弾くぐりのボリス)

★マヌケ黒人3人組
  レニー・ジャームズ(盗品専門の質屋、ソル)
  ロビー・ジー(ソルの相棒、犬の飼い主、ビニー)
  エイド(逃がし屋っていうかただの百貫デブ、タイロン)
     
★賭けボクシング関係
  アラン・フォード(ノミ屋経営者、ブリック・トップ)
  ジェイソン・ステイサム(裏ボクシングプロモーター、ターキッシュ)
  スティーヴン・グレアム(ターキッシュの相棒でゲーセン経営者トミー、ボリスから銃を買う)
  アダム・フォガティ(ボクサー、ゴージャス・ジョージ)
  アンディ・ベックウィッチ(ブリックトップの手下、エロル)

★パイキー(流浪の民)     
  ブラッド・ピット(めちゃケンカ強いミッキー)
  ソーシャ・キューザック(ミッキーのママ)
  ジェイソン・フレミング(ミッキーのマブダチ、ダレン)

ストーリー用ライン


アントワープ。
ユダヤ人に変装した(※モミアゲとヒゲで)集団が、86カラットなんちゅー、子供のこぶし大のダイヤを強奪。

逃走中の車の中。
この強盗団のリーダー、“4本指のフランキー”が、仲間からある
男の居場所を教えられる。ロンドン在住のボリスという密売屋だ。奴から銃を買えという。飛行機に乗るため、いったん銃を処分せねばならない。ハジキは現地で買い直せ、ってわけだ。

ロンドン。
ボスのアビー(NYにいる。イギリス大嫌いで本人はNYを離れない)に電話でダイヤの件を報告するフランキー。
アビーはご機嫌で、従弟の宝石商ダグ・ザ・ヘッドの店で、小粒ダイヤをさばいたら、すぐにNYに大粒ダイヤと帰ってこい、と命じる。
厳重に、カジノには寄るなよ、と忠告して・・・。

さて、仲間のススメに従ってボリスの元を訪れたフランキー。
だが、仲間もボリスもはなっからフランキーをハメてダイヤを頂くつもりだ。
そうとは知らないフランキー、銃を買おうとすると、ボリスは代金は要らんという。
かわりに、賭けボクシングに賭けちゃもらえないか、ときた!

賭け、賭博、博打、ギャンブル。しかも今回は八百長情報つきで儲け確実w
もうフランキーの脳みそは溶けた。4本指のフランキー、指で負け金支払ったオトコ。
アビーの忠告なんぞ忘れていそいそとノミ屋へ・・・・・。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、この物語の語り部、裏ボクシングプロモーターのターキッシュ。
オフィス兼自宅のトレーラーがボロボロだ。ドアが外れた。
相棒のトミーに1万ポンド持たせ、パイキー(キャンプ場でトレーラー暮らしをするアイルランド系の流れ者たち)から新品買ってこい、とおつかいに出した。

しか〜し、交渉にかけては天才的というより、詐欺のプロなパイキーたち。ブっ壊れたトレーラーを売りつけ、金は返さないときた。
アタマにきたトミーは、用心棒に連れてきた裏ボクサーのゴージャス・ジョージを、パイキーのリーダーの青年、ミッキーと喧嘩させるが、あっさりボコにされてしまう。

さて。困ったことになった。
ゴージャス・ジョージは病院おくり、明日の試合に出られない!!
それは何を意味するか。
ターキッシュ&トミーのボス、違法賭博の仕掛け人、凶悪なブリック・トップにバラバラにされて、愛豚らのエサにされて骨までこの世から消えるってことだ。

勿論怒り狂うブリック・トップだが、アホ2人を処分することより、明日の試合のことを考えないと。
その強いパイキーを連れてこい、と命令されたターキッシュたち、
苦労してミッキーをリングにあげるが、約束の八百長なんぞ聞いちゃいない。ゴングとともに相手を秒殺してしまったぁ!!

ガラガラと崩れ落ちるブリック・トップの信用。
もはやこれまでか、と絶望するターキッシュ&トミーだが・・・。

    ・・・・・・・・・・・・・・・

のこのこと賭けボクシングにやってきたフランキー。
なにしろ86カラットのダイヤ。手錠で手首とブリーフケースを
繋ぎ、厳重に持ち歩いている。

そのフランキーを狙うボリス、スミス街で盗品専門の質屋を営む
黒人ソルに仕事を依頼する。
今日は賭けがあるからノミ屋に大金がある、強奪して、ついでに
4本指の男が持ってるブリーフケースをかっぱらってこい、って
わけだ。

額の大きさに、一抹の不安を感じつつも、つい引き受けてしまったソル。犬を拾ってきた相棒のビニーと、自称逃がし屋、要するに運転係の巨漢、タイロンと3人+1匹でノミ屋を目指す。

タイロンの悪夢のようなヘタな駐車でどうにかノミ屋の前に車をつけたが、待てと暮らせど、4本指でブリーフケースを持った男なんて来ない・・・・。
だってフランキーは、タイロンが追突した車の中でノビているわけで・・・。

タイロンは車で待機、ソルとビニーがとりあえずショットガン持ってノミ屋を襲撃!
が、妙に冷静な受付のお姉さん曰く・・・・・・・・。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ブリック・トップはもう怒り心頭。
今度こそ、ミッキーに4ラウンドで倒れるよう言い聞かせろ、と
ターキッシュらに命令。
だが、試合に出るならママにでっかいトレーラー買って、ときた。
完全にブチ切れたブリック・トップは、
あまりにも非人道的な惨い仕打ちをパイキーたちにするのだった・・・・・。
これが後々、自分の首を絞めることになろうとは思ってもみない
ブリック・トップ。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結局、もののはずみでフランキーは、ボリスに殺されダイヤを盗られてしまう。
ノミ屋を襲撃した黒人3人組も、ブリック・トップに見つかり、腐り始めたフランキーと一緒にもうじき豚の餌になりそうな予感。

フランキーから連絡が途絶えたので、アビーは気がきじゃない。
フランキーが持ち逃げしたか!?と大慌て。
しかたなく、大嫌いな英国に飛んで、腕利き殺し屋トニーを雇い、
フランキーを探させる。

現時点でのダイヤの持ち主、ボリス。

KGBくずれの不死身のボリスと、金歯で弾丸を受け止める不死身の殺し屋トニーの対決、勝つのはドッチ?

最後にダイヤを手にするのはいったい誰でしょ〜?????
いやむしろ、最後に笑うのは誰でしょ〜??????????


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コメント用ライン


以前レビューしたときはイマイチ把握しきれてなかったので、
再度トライ。やっとモヤモヤがクリアに。

群像ものはアタマの体操になるのでボケ防止に定期的に観たい(冗談)。
数ある群像映画の中でも、最もややこしく登場人物も多い本作。
でも、やっぱりガイ・リッチー監督のジョークやユーモアのセンスは面白くてたまらない。

クライム・コメディの群像劇、パズルのように連鎖する一見無関係そうな連中、というスタイルは、タランティーノの最高傑作(現時点ではそう思う)『パルプフィクション』と雰囲気が似ているので、あれが面白かった方には是非おすすめしたい。

カッコイイワルたちのクールな一攫千金ゲットが観たい→『オーシャンズ11』『トウェンティマン・ブラザーズ』『ミニミニ大作戦』などなど

いや、ダメ人間が一攫千金夢見て奮闘するネタで笑わせてほしい→『ウェルカム・トゥ・コリンウッド』『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(これもガイ・リッチー監督)』
などなど

あまりに展開がスピーディで咀嚼する余裕を与えてくれないので、
目がテンになるのが難点でもあり、他の作品にはない斬新な点でもある。

それでも、語り部(ターキッシュ)を据えて、あくまでも彼の喋りというか心の語りで進めていくし、時間軸をいじくらないので
何が何だかサッパリ、というほどではないだろう。


何が可笑しいといって、これだけ登場人物がいて、1シーン1シーンがもの凄く短いのに、1人1人が雑に扱われていない。
俳優陣の力量は当然のことだが、脚本がきっちりしているからだ。

金儲けが得意そうだからユダヤ人に憧れてユダヤ人だと自称しているが、ちっともユダヤ系に見えない容姿のダグ・ザ・ヘッド。

アブナい(多方面な意味で)男を演じさせたらピカイチのベニチオ・デル・トロ演じる4本指のフランキー、出演時間よりも、
顔が見えている時間のほうが少ないという珍妙な状況になる。
他の作品では見せたことのない、ヘロンとした妙〜な喋り方が可愛い。

ブラピ演じるパイキーの強烈さは圧倒的に可笑しい。
そもそも、自分の言葉は標準語だと思ってる連中がノース・ロンドンのしかもヤクザ用語連発で、アメリカ人のアビーに「英語を話せ」と呆れられる有様。
パイキーたちのアイリッシュ訛りに???なターキッシュたちは、
いうなれば沖縄弁に???になっている名古屋人のようなものか・・。

冒頭の、ソーセージを焼くシーンから笑いっぱなし。
タランティーノと違って残忍な血みどろシーンもないので、
ソッチが苦手な方でも大丈夫。

まさにDVD鑑賞向き。
映画のチラシには、“二度観ようと思うな、一度で理解しろ”
なぁ〜んて書いてあったが、当然、何度か観てねw というお誘い文句。
記憶力強化にこの1本(笑)


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