重度(ソウ)ロウ |
職業が作家でも文章を書く仕事でもないくせして、ここ数日 「文章が書けない」 ことで人知れず悩んでおりました。 IT土方であるのだから文章など書けなくてもいいのである。それなのに何か書きたいんだけどいざ書こうとすると何も思い浮かばない、という具合。私の得意分野である「日処出の天子」についてなら何か書けるんではないか、と書こうとしたがこれもまた書けない。いつもであれば厩戸に感情移入していくらでも書けるんだが・・・ちなみにひさびさに読んでみたらあんなにださくてみっともないと思っていた刀自古のことを批判する気持ちが減っていました。不思議だ。このことについて書きたいなと思ったもののやはり書けない。 これまた私の得意分野である「旅」「鉄道」に関してならば書けるんではないか、と思い書いてみたらこれがまたつまらない。自分でつまんねーなと思ってしまったらおしまいだ。そもそも毎回同じようなネタについて書くこと自体がダメだしな。 ついには仕事で長文のメールを打つのも厭わしいという事態に。IT土方でもそういう風に文章を作る機会があるのだ。しかし、ビジネス文書なのに文がぐちゃぐちゃ。うまい言い回しがわからない。よくわからないところに「お願いいたします」を挟んだりするからますますまずい。何が言いたいのかさっぱりわからんビジネス文書なんかいらんだろ。 私は7年も日記でしこしこ書いてきたのに、一体これはなんだったのか。 正解は「公開自慰」だけど。(自問自答) なんかもう日記書くのもやめたほうがいいんではないか、とまで思いましたよ。書いたとしても自分でまず「つまんねー」と思ってしまうし。文章が書けない、おもしろいものが書けない、てのはもう人としてダメなんではないか。鼻くそほじったり同僚友人とバカ話をしながらそんなことを思って生活してました、ここ一週間くらい。まあ誰もなんとも思わない悩みだよなー私もわざわざ人に相談することでもないなと思ったし。自意識過剰もいいとこだ。冒頭にも書いたけど、IT土方なんだから文章なんか書けなくてもいいんだし(仕事上では問題だが)。「若ハゲで悩んでる」「明日までに借金返さないとヤバイ」「局部が臭い」「隣の席の人がワキガ」なんて悩みに比べればほんとにほんとに大したことないし。むしろそれらより恥ずかしい悩みだよ。(主に自意識過剰すぎて)
そうはいいながらも自分にとってはワキガ級の悩みであったので、恥を忍んで相棒さんに悩みを打ち明けたところ、「赤瀬川原平を読むといいよ」といわれました。 名前は聞いたことあったが読んだことないな。ウィキペディアなどで読むと70年代〜80年代に人気を博した人らしいのでどうなんだろうと思いつつ、近所の本屋で「老人力」を購入。読んでみた。 相棒さんは「(赤瀬川原平読むと)アイデアとか目の付け所とか書くことの楽しみを思い出すかも」ということですすめてくれたのですが、純粋に 「私はすでに老人力が高いな」 ということに気づいた。 この本は結構売れたらしいので(知らなかったが)、ご存知の方も多いんだろうけど「老人力」というのはいわゆる「ボケ」「もうろく」の新解釈のことである。「最近物忘れが激しい」なんてのを「最近老人力がついてきた」と置き換えて老いることをポジティブに考えましょう、という提案である。物忘れ以外にも「やたらため息をつく」「やたら眠る」なども老人力なんだそうだ。 で、私が老人力高いわー俺、と思ったのは物忘れが激しい、ではなくて「やたらモノを忘れる」から。先日も出社して昼休み、弁当を買いに行こうとしたところ財布がない、ということがあった。 「財布がぁー!財布がぁぁぁー!!!」 と大騒ぎをし、どこで落としたのだ?どっかに落として盗まれたのか?などとパニック状態。 しかも同僚さんが「俺、シノの財布朝見たよ」などと言うものだから「会社で落としたのか?そんなバカな!」とさらにパニック状態に陥ったのだった。私の財布は皮の札入れなのだが、とにかくでかい。いつもはチェーンをつけて尻ポケットに入れているので落としたとしてもすぐ気づく仕組みになっている。携帯電話を首から提げているようなもんだ。 しかし。ここ最近打ち合わせなどが多いので
・尻ポケットに入れているのはみっともない(不良に思われる) ・チェーンをつけているのはみっともない(不良に思われる) ・スーツの時など、いくらスカートにヒールのOL然とした格好でもチェーンの巻きついた財布をカバンから取り出すと客/同行の人が引く(不良に思われる)
という理由でチェーンを取り外していたのですよ。 まあ20代も終点間近、しかも社会人で不良もへったくれもないのだがそれでも「チェーンはあれか、いざという時に拳に巻きつけて攻撃する為か」などと言われるもので。アジャコングでもあるまいしそんなことしねえよ。確かに打ち合わせにチェーンじゃらじゃらつけた女がきたら感じ悪いわな、と思ったからとったまでだ。
しかしこの時は「なんでチェーン外したんだ!」と自分を責めた。 外していなければ財布がなくなることはなかったのに! まあついてなかったものはしょうがない。それでは一体どこで落としたのだ、という話だ。 昼休みまでの行動をさかのぼる。
11:45 財布がないと気づく 11:45〜11:10 同僚とアホ話 11:10〜10:05 打ち合わせ 10:00 出社。「おせえよ!」と突っ込まれる。 9:45 家を出る。 9:15 同僚から「今日10時から打ち合わせじゃね?」と電話がかかってきて起きる 8:00 一旦起きて「もう5分寝よう」と二度寝 4:00くらい 排卵痛で目が覚めて鎮痛剤服用 0:00くらい いつの間にか寝る 23:00くらい メールしたり電話したりマニュキア塗ったり 22:00くらい 風呂入ったり 21:00くらい 電話したり本読んだり 〜20:00くらい 排卵痛きつくて退社。金を下ろす。近所のスーパーで買い物、帰宅、メシ食ったり
まあこのタイムチャートを見て一番気づいて欲しいのは 「平日なのに睡眠時間9時間超」 ということです。どんだけ寝ているのだ。これも「とにかく眠れる=老人力」の為せる技か。 あと4時より前の「〜くらい」というのは正確な時間を知らないからたぶんこれくらいだった、という曖昧ぶり。見てお分かりになると思うが酒呑んでないのに時間がわからない。これもまた老人力。 タイムチャートをさかのぼってみて気づいたが、財布をさわった記憶は前日の20時くらいまでなのである。13時間くらい財布の存在に気づいてないわけだ。どんなんだそれ。「朝タバコ買ったんじゃないのか?」「朝お茶買ったんじゃないのか?」と思われるかもしれないが、買っていない。 私は事件当日、そもそも財布を触っていないのである。 要するに同僚の「朝、シノの財布見たよ」というのも「適当な記憶力=老人力」なんである。 おそろしや、集団老人力!
で、結局どうなったのかというと 「近所のスーパーで落としたのかもしれない!」 と思ったのだが、「とりあえず家に帰ってみたらどうか」との提案があったため、家に帰ってみたらなんてことなく家に置いてあったのだった。財布ないない騒いで「カードとめなよ!」などと忠告してくれた人もいたが、とめなくてよかった。どんだけ人騒がせなのだ。罪滅ぼしにお菓子買って同僚らに振舞いました。
赤瀬川原平は 「最近は暴力事件などの低年齢化がささやかれているが、老人力の低年齢化ということもあるらしい。若くして老人力がついていることは『早老』である。この語感はちょっとまずいか」 と書いていたが、私などは超早老ってことだな。 みこすり半。1分持たないわい。
まあ、私が超早老であるとしたら 常日頃から「あれ、なんだったっけ?」「あれよ、あれ、こうやってこうするやつ(と身振り手振り。でも全然何を表したいのかわからない)」などを連発し、 「ヤツザキ、リモコン忘れてるわよ」 と言いながら私に腕時計を渡してきたり 「あの俳優かっこいいわ〜なんだったっけ、名前?ラクラクフォン?」 とチャンドンゴンの名前を間違えたりするふぁる姐さんはカリスマ早老であるなあ。 カリスマ早老というか、早老界の長老というか。 早老長老。ああなんか「次長課長」のようだ。漫談始めるべき。
あれ?文章を書けなかった理由がわかったのでそれ書こうと思ったのに全然違うところに着地してら。 まあそれに関しては次回にて。
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2007年04月09日(月)
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