わくわく擬似親子旅行in岡山 |
旅から帰ってきた翌日というのは、この世の何よりもしんどいものである。 前日までの楽しいひとときの余韻が、たかだか一晩眠っただけで覚めるものではない。なぜならば大いに遊んで大いに疲れているから。翌日はぐてーっと眠って過ごしていたい。だらだらしたい。 そうは願ってもこれは絶対に叶うことはない。 なぜならば私は「休みがあればその休みの極限まで遊びたい」人間であるから。 どの出張だってどの旅行だって「翌日はゆっくりしたいから早めに切り上げよう」なんつって休みの終わる2日前に帰ってくるなんてぇ野暮ったいこった。フジロックから帰ってきたら翌日は朝まで深夜作業こなしたし台湾から帰ってきたら翌日は朝から作業、熊本から帰ってこようがその足で客先に向かうのだ。そうやって生きてきました。翌日はダラダラ仕事しがちだけど。
今回の大阪からの帰宅後も例に漏れず翌日は出社で、ダラダラ仕事になりがちなパターンではあったのだがこの日はやらなけりゃイカンことが多かったのでダラダラしている暇などなかったのだった。 そんな夕方に急に上司から呼び出される。
「おまえ、今週岡山行ける?」 ああ、出張って全然考えもしないときにやってくるんだな。
しかも今回は「俺も一緒だから」とのこと。 わたくし、「現地合流・現地解散」の出張ならば2人以上でしたことあるけれども行きも帰りも同行というのは初めてなのだった。 それも上司!まんことかうんことか言う人! わー。(擬似)親子旅行だなー
てなわけで岡山に行きました。 西日本はしばらく行く機会ないだろうなと踏んでいたのに。
岡山までは飛行機でひとっ飛び。 空港に早めに着いたので時間潰そうということで飛行機を見に行く。(メシは 山でうまいもん食いましょうということになっていたのでその場では食わず) 「子どもを連れてくるとしょうどいいなー」という上司の横で 年甲斐もなく写メール撮りまくる俺。 まあ、擬似親子旅行ですから。 飛行機で行くと我々の職業は必ず荷物検査で引っかかるので面倒くさいんだが (あやしい工具持ち歩きだから。そしてもちろん引っかかった)飛行機は乗るのも楽しいのでいいのです。 飛行機内で泡盛を買うという暴挙にはさすがの上司も苦笑だったけど。 (ANA機内限定の泡盛「御酒」は皆買うべき。勿体なくていまだに飲むことができずにいるのだが)
岡山空港に着いて、外に出ようとするとまず目に入るのが「ドムドムバーガー」というのは笑った。 なんだこの京成電鉄沿線のようなユルさは。 岡山空港から岡山駅まではリムジンバスなのだけど、このバスの一番前に流れる電光掲示板一行ニュースもすべて芸能ニュース。しかもニュースの質がおそろしくゆるい。 「ニッキ、『70歳になっても少年隊』と宣言」 というニュースの需要がどこらへんにあるのか私にはさっぱりわからない。このニュースが流れるように何度も現れるのを見るたびに途方に暮れる。
岡山駅は上司曰く「大宮駅みたい」なところでした。 私は「郡山駅みたい」と思った。とにかくまあ、駅がバカでかい感じだ。 深夜作業だったのでメシ食って仮眠とって、という流れなのだがいざ岡山駅に着いてみてふと気づく。 「岡山って何がおいしいんだっけ?」 いや、岡山のおいしい食べ物は知ってるんだ。 それは大手饅頭 私認定「あんこ物日本代表」にも入るほどの(たいしたことなさげに聞こえるな)絶品饅頭なのだ。けど、あくまでもまんじゅうですから夕食向きではない。 さてどうするか・・・どうせ深夜作業なので酒も飲めやしない。適当に入っ てまえ!と思って入ったのは 「関西風お好み焼きの店」 であった。 岡山って関西か? 私の意識の中では、岡山は山陽地方なのですなわち中国地方で、だからお好み焼きも広島風になるのかと思ったのだが、ほかにも「関西風お好み焼きの店」を見かけたので関西という意識が強いのだろう。 そういえば、先日一緒に作業をした方が「関西の出身なんです、なんちゃって関西みたいなもんなんですけど」と言うのでてっきり三重出身なのかと思っていたら岡山出身だった。 そうか、岡山は関西という意識が強いのだな、地元民は。なんだか「いわきは東北じゃなくて北関東だから」という意識と似ている。 そんな関西風お好み焼き(でもメニューには広島風お好み焼きてのもあった)をつついていたらどうしても酒が一杯だけ飲みたくなったので上司に断って一杯だけ飲ませてもらった。どんな部下だよ。 その後仮眠をするつもりが、豪華マッサージチェアー付きのレディースルーム (そういえば百太郎って人はどこに行ったのだろう)だったので凝りをほぐしたり、エロビデオ(なぜかタダ放送)を見たりダラダラしているうちにもう時間になってしまった。いざ作業へ。
深夜作業にも関わらずかわいらしいお姉さんが立会いをしてくれてああありがたや。上司は機械の電源を間違って落としちゃったりしたが、私はこの作業燃えました。高速で作業行う燃えっぷり。 だって 「3時くらいまでに終わらせて飲みに行く」 という目標があったから。 せっかく飛行機で600マイル(推定、正確な距離知らないが)くらいを飛び越えて来たのだから、岡山ナイトを楽しまない手はない!しかもwith上司なのだからキャバクラに行かない手はない! というわけで燃えて燃えて2時間かかる作業を40分で終わらせる優秀ぶり。「ひかり」から「のぞみ」に変わって東京名古屋間が30分短縮!を凌ぐ脅威の時間短縮ぶり。やればできる子なんだよ。 上司も「おお」と驚いていた。父さん、(酒のために)いい加減な作業は行いませんでした。
しかし結局待機にさせられた。 それでも「3時半に終われば1時間半は飲める」「4時に終われば1時間は飲める」と思い続けたのだった。 ネバーギブアップ。上司と立会いの営業さんは寝てたが。 私は新聞社のケーブルテレビ勝手に見ながらがんばってたのだよ!このとき見ていた番組が「フェリシティの青春」という海外ドラマでなかなかおもしろかった。(それまでは「ノブナガ」を見て頑張った)
が、そんな期待も空しく、作業完全終了は4時半過ぎ。 私も知らぬ間に眠りに落ちていて全員お客様に起こされる始末。だみだ。 岡山酒ナイトは夢のまた夢。 岡山、午前5時、夜明け前。コンビニで食料と酒買って終 了 コンビニのくせにキャスターマイルドが品切れだったことに腹を立てる。即ふて寝。
翌日(って寝たのも起きたのも同じ日なんだが) 私は1時まで岡山で待機となったのでそのまま残留。上司は先に帰っていった。 やっと親子旅行も終了。 思う存分羽根を伸ばしてやろうと目論むも、岡山の中心街はミニ型オーパしかなかったのでダメだった。まあ、どの都市に行ってもあるように、岡山にもヴィレバンがあったので立ち寄ったくらいか。
13時も過ぎたのでぼちぼちと岡山発。もちろん片手には大手饅頭。 すっかり恒例となったローカル線乗車を果たす。けど山陽本線は一番前でも窓がないのでなんも見えやしない。がっかり。 だったら赤穂線というのに乗ればよかったよ。瀬戸内海を優雅に臨みたかった。
で、大阪下車して用事を済ましてまたキューズに行ってしまった。 店員のみなさんのぽかーんという顔が忘れられません。 そらそうだ。東京在住で梅田に週3日来店て。 そして岡山のウサを晴らすかのように飲酒。最終新幹線でなんとか帰ったけど。
翌日東京にて上司に
「おまえ、あのホテル、エロビデオタダで見放題だったの知ってた?俺見ちゃったよ」
と言われる。 もちろん知っていたが、「いやー知りませんでしたねー」と言っておいたのは「親の前でタバコ吸うのは気が引けるな」という類の親孝行みたいなもんだ、たぶん。
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2005年07月19日(火)
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