NWOHMB(ニューウェーブオブヘビーメタル番組) |
最近は夜飲んで帰ったら寝る(というか帰る時間が0時過ぎ)ということが多いので、深夜番組をめっきり見なくなってしまったんだが、 昨晩は運よく「ヘビメタさん」を鑑賞することができた。 2005年のこのご時世にヘビーメタル/ハードロックのバラエティ番組が放映されるらしいというのはうっすら知っていた(このへんで)のだけれど、 「ええ!今更キャプテン和田?」 「ヘビメタバラエティーって、なんか『ギブアップまで待てない』っぽいな」 くらいの感想しか抱いておりませんでした。 別にキャプテン和田出てないんだけど。 別にプロレスとは何も関係ないんだけど。
前にも書いたけど、私は中学生時代、「オリーブ少女」の対極にある「BURRN!少女」でありました。 BURRN!というのはハードロック/ヘビーメタルの老舗雑誌のことです。 毎月欠かさずに読んでました。 あろうことか、毎月ついてくるカレンダーを貼ったりしていました。 弁解ではないのだが、ロッキンオン少女でありながらBURRN!も読んでいたのです。だからベースはロッキンオンなのですよ。 ここ重要!それも増井修のロッキンオンだけだから。
なんで2冊並行していたのかというと、私はサウンドガーデンのファンだったんだけど、ロッキンオン読んでるだけじゃ情報が足りなかったから。かといってバーン!にも足りない情報しか載っていなかったんだけど。 クラスメートが「バックステージパス」でミスチルの記事を切り抜いて喜び、「セブンティーン」を読み出し、化粧に夢中になり、「エルティーン」でちょっとHな投稿(今考えると殆ど編集者が書いていたんだろうが)にキャーキャー言っている頃に私が夢中になっていたのはロッキンオンとBURRN!と格闘技通信と週プロだからな。あ、紙プロ(小さいほう)もだ。 エロ雑誌は幼少時にすでにじいちゃんちのビニ本販売機で読んでいたからエルティーンはぬるいと思っていたのだった。 みうらじゅん言うところの「特別コース」に進んでいたもんで。 残念ながら化粧品は全然興味がなかったのだけど、高校に入ったくらいにバイト先の人にまゆげを書いてもらって驚いた記憶がある。 「私も眉毛濃くしたりできるんだ!」と。 オリーブは買ったことなかったけども、この後、ジッパーやキューティを読むようになったんだった。ああ、なんでこの時JJとかのほうに行かなかったんだろう。 人生をやり直せるとしたらその雑誌の選択からやり直したい。
授業中はロブ・ハルフォードやスコット・イアンの似顔絵を描くことに熱中し、 放課後は教室でデス声を出すことに腐心し、 金曜と土曜の夜はラジオを聴き倒し、その間に宿題のマフラー編みをせっせとこなしたりしていたなぁ。 いやな女学生だ。 恥ずかしいやらなんなんやら。今はちょっぴり甘酸っぱい。
そんなわけでヘビーメタルのテレビ番組といえば、大体はTVKか千葉テレビで放送されるもの、というのが私の中の常識でございました。 TVKといえばマサ伊藤の「ミュージック・トマト」、千葉テレビといえばキャプテン和田の「レッツ・ゲット・ロック」ですよ! マサ伊藤は今やってる「ロックシティ」とかいう30分番組じゃないから! 水曜日の夕方5時くらいから横浜そごうの地下で公開録画してたほうだから! (見に行った経験アリ/カテドラルのリー・ドリアンのサイン色紙当たった経験アリ) 余談だが、キャプテンといえば翼でもファンクでもちばあきおでもなくて「和田」が出てくるのが普通でしたから、10代の頃は。
とりわけキャプテン和田の「レッツ・ゲット・ロック」は金曜日の午後7時という家族団らんたけなわな時間帯に放映されていたにも関わらず、家族の反対を押し切って見てましたわ中学生時代。 餃子とか食べながらハロウィンのビデオクリップ見たりしてましたよ。 家族にとってはハタ迷惑だったんだろーなー。 プロペインのビデオクリップが流れたことがあったんだが、小さいフィギュアのようなのが動くビデオで、うちの妹が「気持ち悪い」と言ってチャンネルを替えたのを覚えている。 余談だが、その昔、私が幼少の頃、従兄弟の家によく遊びに行っていたのだけど、食卓でみんなでごはんを食べている時に従姉妹が皆の反対を押し切って大貫憲章の千葉テレビの番組を見ていたのが記憶に残っている。 デュランデュランの「ガールズ・オン・フィルム」が流れて慌ててチャンネル替えていたような。 確実に従姉妹と同じ血が流れてんだな。
話が逸れた。 要するに、ヘビーメタルの番組というのは、肩までの長さの長髪で、デカイ眼鏡をかけた50くらいのおじさんが 「このバンドはですね、ドイツ出身のピュアメタルバンドで〜」 などと解説し、しまいには聞いてないのに 「ここのボーカルのマイケルのファミリーに先日会いに行ってきたんですがね、娘さんがとてもかわいかったんですよ」 などという個人交流を報告する番組だとばかり思っていたのです。 どちらかといえば放送大学のようなスタンスを感じていた。 実際に学生時代の私は「ああ、もっとメタル情報プリーズ」と思っていたのでよろこんで受講していたわけだけど。 それが気がつけばヘビメタも「全国ネット」で「バラエティ」だ。 万人向けという宣言である。 2005年なのになぁ。いや、2005年だからこそ、なのか?
そんなわけで「ヘビメタさん」 熊田曜子が出ているあたりはちゃんとバラエティなんだな。 ヘビメタで女性といえば、リタ・フォード(今何やってんだろ)とかパメラ・アンダーソン(別にメタルやってたわけじゃないけど)とかSHOW−YAとか、最近だとアークエネミーの人くらいだったので。
それよりも驚いたのはマーティ・フリードマンがレギュラー出演していたことでした。
ご存知ない方に説明いたしますと、マーティ・フリードマンというのはメガデスというメタルの中でもかなりの大御所バンド(全米1位とか取ってた)に在籍していたギタリストでございます。 メタルのバンドには「アメリカや他の国じゃ一切売れていないのに、日本だけ異常な人気」というバンドがよくいて(マサ伊藤はそれを「日本人だけが感性が鋭いからね!」とか言ってたが)、「LOVELOVEあいしてる」なんかに出ていた外人ギタリストはまさにそういう「日本でしか売れていないバンド」の人でした。だからキンキキッズとも共演していたわけだ。
しかしメガデスはアメリカでも売れていたのよ。 むしろアメリカのほうが売れていたのよ。 だけど、このマーティ・フリードマンという人は異常な日本好きで、昔の記憶があっているならば「ハワイにいた頃に、日本の料理番組を見てたら日本語が美しいなと思った」とかいうのが理由で日本語を覚えたりしたらしい。 ちょうど10年位前に、マーティはカタコトの日本語を駆使しながらラジオやテレビ(っても「レッツ・ゲット・ロック」だけど)に出演していた。 「ワタァシノ ナマァエハ マーティー・フリードマン デスゥ」 という自己紹介を何度聞いたことか。 英語を直訳したような、回りくどい言い回しに必ず「デス」をつけるあたりが、頑張って日本語を勉強していた証なのだろうけど、「日本語ヘタだなー」とよく思わされたものだ。 しかし、そこが微笑ましくて、マーティの魅力でもあった。
池袋の新星堂にマーティ・フリードマンが来店したというので、友達とサインを見に行ったことがあるのだけれど サインは日本語だったのだ! 本人の強い希望なんだろう。 まるで字を覚えたての幼児のような、ミミズが這い回ってるような貧弱な字で
「マーティー・フリードマソ」
と書いてあったのを見て「マソって!マソって!」と友達とゲラゲラ笑った。 2ちゃんのできる遥か以前のことだ。 元祖2ちゃん用語駆使者だったのか。
それからメガデスは活動してんだかしてないんだかわからない状態になり、気がつけば解散。 私も自然とメタルから離れていった。 マーティを目撃する機会もなくなった。
が、10年経ってまた目にする機会があるとは! 目を剥いた。 マーティは2005年でも当時私たちが勝手に呼んでいたような「やきそば頭」であった。 正しいメタルギタリストの髪型である。 ローリーと二人でギターリフ弾きまくったりしていた。 正しいメタルバラエティの姿だ。(特にローリーの起用が) そして、もっとも正しすぎて、ちょっと違和感で、時の流れを痛感したのは マーティの日本語が流暢になっていたことだった!
「裁判で訴えられたら負けちゃうかもねー」
そんな具合(正確な発言はうろ覚えなんだが)に話すのである。 カタカナで表現する必要がないくらいお上手。 まあ、10年も経ってるし、その間に日本に定住もしているだろうし、上手になるのは当然だし、バラエティに出る外人は「崩した日本語」を話すことができるというのも必須条件ではあるんだけど。 (ボビーも「くずした日本語」を話すのだからあれはあれでいいんだろう、徹子はいやだったろうけど)
でもあのつたない日本語が魅力だったんだがなぁ(いや、ギタリストなんだけど) 「つたない日本語を使うギタリスト」なら他にいなかったから貴重な存在だったけども、流暢な日本語を使うんでは、外人タレントと同じだなー。 少なくとも「バラエティ」に出演している限りは。 マーティ大丈夫か?外人タレントの世界は結構キビシーよ! 頂点にいるのはデイブ・スペクターだからね! そのデイブも今朝、とくダネ!の中でヒルトン姉妹にインタビューしてたけど、虫ケラのような扱いを受けてたからね。 小倉が「日本じゃヒルトン姉妹なんか皆知らないよ、俺のほうが有名だよ、って言ってやればよかったじゃん!」とデイブにアドバイスしてたけど。
と、勝手に心配してみた。 マーティ自体に外タレになる気はないと思うんだけど。 いや、単にマーティが健在だったことを喜んでるだけです。 これからも頑張って。
それにしても久々にメタルに触れました。 リトルテンポの「スーパーテンポ」だけを延々と聴いていて、ああ、ほかも聴こうと思って聴くのがスミスという生活をここ2週間くらい繰り返していたけど、昨晩は久々にCDひっくり返してメタル漬け。 といってもマシーンヘッドにフィアファクトリーにモービッド・エンジェルだ。 そんでモンスターマグネットに流れてフェイスノーモア聴いてるうちに寝てた。
全然メタルじゃねえな。 でも私のメタル遍歴ってこのへんとかこのへんみたいなもんだからな。 元々「ピュアメタル」とか殆ど知らないし。 そもそもピュアメタルってなんだよ。
メタルと一言で言ってもいろんな種類がある。一億人総メタル化への道は果てしなく遠い。
でも「ヘビメタさん」、なかなかおもしろかったな。 ゲストでマサ伊藤は出ないのかなぁ!
民放で 見たことないぞ マサ伊藤(メタル川柳)
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2005年04月19日(火)
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