股・戯れ言
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本格コント焼酎「鉄割り」アルバトロスケット

私は生まれながらにして右頬に激しくでかい「おでき」の持ち主だった。
赤ん坊の時の写真を見れば、どれでもとにかく「おでき」付き。
嘆かわしい。ブクブク太ってるし。

そして25年の年月を隔て、現在、私の右頬には赤ん坊の時と同じような赤くてでかい腫瘍ができている。
しかしそれは「おでき」ではなくて、「ニキビ」と呼ぶ歳もとっくに過ぎ去って「吹き出物」なのです。
ブクブク太っているのも変わらないんだけど。
先日飲みに行ったら、周りにいた男性は一人を除いて全員私以下の体重でした。
本当に「痩せなきゃいけない」と思いました。
全国で旨いもん食ったり飲んだりしている場合ではない。

って体重の話ではなかった、吹き出物の話だった。
まるで昭和新山なのか!というほどみるみるうちに腫れ上がり、黄色い芯が見えてきた時、ものすごく「潰してぇ」と思ったのだけれど、なんとか思いとどまることに成功。跡が残るのはイヤなのよ。
なるべく早く、勝手にいなくなって欲しいので、吹き出物勃発後は化粧をしないように努力しました。
そうやって自然誘導消滅作戦を展開していたら、自然にウミが出てきてた。
よっしゃよっしゃ、この勢いで過ぎ去っておくれよ、順調にな

と思ってたら、今朝、目が覚めたらやや潰れてました。

何のために雨にも負けず風にも負けず潰さないで耐えてきたのだ。
痕が残っちまうだろ!
寝てる間に何やったんだ、自分。



それはさておき、先週の日曜日のこと。
仕事を終えた後に「鉄割アルバトロスケット」を見に行ってきました。
鉄割制作の松島さんが私の掲示板に鉄割公演告知を書いてくださってから一年以上経ってからの観劇。
自分の腰の重さには呆れます。
フットワークは軽いはずなのだが、どうもタイミングが合わない日々が続いてしまって本当に申し訳ないのだった。


最近のテレビは「演劇畑出身」という方が目立っておりますね。
しかし私はその、「劇団出身」というものにいいイメージを抱いておりませんでした。ていうか劇団出身=劇団ひまわり出身くらいの偏見を抱いておりました。
要するに、劇団出身は演技が大げさなのがどうにも馴染めないのです。
学生時代に国語の教科書の音読を当てられたならば、ヘンに感情移入をして、ヘンにフシをつけて話す奴に対して感じていた違和感。
そういうのを思い出さされて「それ、違うだろう」と思ってしまうのですよ。
音読でフシをつけたって、感情移入を激しくしたって、成績にどうこう響くわけではない。あれは単に「注目されたいから/一目置かれたいから」が動機だと未だに信じております。(偏見)
フシをつけたからどうだというのだ。
特に私は女子校育ちだったので、演劇部はさながら宝塚のようだった記憶がある。
そのせいかもしれないが「やり過ぎ」感を常に募らせておりました。
そうなんだよな、演劇って日常的な行動をすべて「強調しすぎる」「やり過ぎる」のがどうにも自分の日常生活と比べて違うだろうと思ってしまうのだ。
まあ、舞台上は声を張り上げて大げさに動き回らないと見ている人間には伝わらないので、大げさにすることはしょうがないのかもしれないけど。
ぶっちゃけ、大げさ過ぎるというのは「さむい」のである。
私は津田寛治という人がどうにも苦手なんだけど、この人は映画の中ですら「演劇部」だった。模倣犯、ひどいぞ。中居もひどかったけど、津田寛治の演劇部モロな言い回し、いや、これに関してはあえて言わせてもらいたいが、「劇団ひまわり的言い回し、立ち回り」のせいで見るに耐えない映画だった。
中居は「勝利の女神」や「グッドニュース」はいいドラマだったんだよな、とくにグッドニュースは本当に面白かった。
「白い影」とか「砂の器」路線なんかやめちまえ!
ずっとナニ金みたいなのをやってくれ。

あと演劇に対する違和感といえば、「全然わけがわからないオチを持ってきたりする」場合があったりするから。
なけなしの忍耐力で2時間弱の舞台を見続けて
「何がなんだかさっぱりわからない」
場合ってどうしたらいいの?私はそれに対処する術を知らない。
単純な感想「おもしろい」とか「感動した」とかを拒絶し、「演劇ぶっくを隈なく読んでないとダメだ」みたいなことを求められてりする(本当に求めるかは知らないけども)と、読んでいないこっちとしてはどうしたらいいのやらと思うわけである。
要するに、演劇って「わかる奴だけわかってくれればいい」と「あーわかるわかる」って人たちだけの循環の場で、敷居が勝手に高くなってる感がするのだ。
「全然わからない」という意見を撥ね付けるくらい、一般の、「演劇ぶっく」なんか一回も読んだことがないような人の入る余地がない。気がする。
映画やお笑いのような気軽さがないんだよなー
予備知識ない奴は排他ってな具合で。
逆に、今テレビで「演劇出身」がありがたがられているのは、演劇時代という予備知識を持たずに演劇出身の人たちを見ることができるからなんではないのか。
あと演劇時代知ってる人が特権意識持ちすぎだからではないのか。


そんなわけで「鉄割アルバトロスケット」
予備知識は全然ありませんでした。
これまた演劇そのものに予備知識ゼロのおかもっちゃんと一緒に行ったのだけど、全然理解できなかったりしたらどうしよう?と思っておりました。


勘違いしてましたわ。
鉄割は演劇じゃなかったわ。


コントやってました。

それも「ごっつええ感じ」や「ビジュアルバム」のようなコントだった。
コントなのでどれも短く、キレがよい。
キレが悪くても、じわじわと笑わせてきて、あとで思い出し笑い必至。
演目によって出る人も変わるので、飽きることがない。
演目が微妙に繋がっていて、妙に納得させられたりもする。
日常生活の延長上にある笑いなので(でもちょっとばかり宇宙人ネタが多かったのは気になったかも。宇宙人なんて飛び道具使わなくてもいいと思う)、違和感を感じるような大げさな演技は殆どなかったといってもよい。
たぶんスタンスが「見せる」ではなく「笑わせる」のほうに重点があるからだろう。
(「笑わせる」に重点を置いている場合、外すととんでもなくさむくなる場合があるのでキケンだが、鉄割はそういうキケンも孕んでいなかった)
だから「わかる奴がわかればいい」というお高くとまったスタンスも殆ど感じられない。
敷居が高くないのですんなり見られた。
それどころかあまりにもくだらないので「くだらねぇ」と言いながら涙流して笑ってました。
腹がよじれるほど笑いました。
おかもっちゃんも同上。

これは四の五の言わずに見たほうがいいよ!
2時間忍耐とか全然必要なかったから。
「全然わからないけどどうしたらいいんだ」とか途方に暮れることもなかったから。
破壊力メガトン級の本格焼酎のようでした。
度数は高めでクセも強いが最高だ。

最後に、ずっと告知してくださった松島さんありがとうございました。


鉄割ホームページをよく見たら「パフォーマンス集団」と書いてあった。
最初から演劇とは名乗ってなかったのね。失敬。


余談だがなんで中居が「ヤンキー母校に帰る」の主役をやらなかったのか、未だに疑問である。
義家は中居にしかできないだろー。
2005年04月17日(日)

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