きょうはいよいよ発表の日なので,のろのろとHiltonに出かけて,ポスターを尊敬するOくんに手伝ってもらいながらぺたぺたと貼り,昨日増殖させておいたフルペーパーと1枚の要約を置いて,他のセッションに出かけました.Paradigmatic Shifts in Health Economics 1という,名前からすると「むむむ」的なセッションに出てみたのですが(自分のセッションの座長が発表していることに気がついたからです),Ming Tai-Sealeさんが発表していた「How Much Patient Information Does it Take Before a Physician Makes a Decision: The Role of Uncertainty and Information Exchange in Physician's Decision-Making」という研究はひじょうに面白そうでした.診察の様子をビデオにとり,どのような話をどちらがしているかをさまざまな分野の専門家が分類し,もって情報伝達について分析しようという,こりゃまたえらいことやりましたなあ的な,学際的な研究のようでした.医師の意思決定(しゃれではない)は気になるところなので探してみたのですが,web上にペーパーはないようです.むむむ.で,次のセッションで発表でした.座長のPaul Kindさんは,なんつうか,正統的なイギリスのおじいさんっぽくて「ほっほっほ.きみがスン……シュンイチロー……でよいのかな,かね?」とか言いそうな感じの先生でした.York大学の大物だなんて知りませんでしたよ.発表は12人中2番めで5分間という位置でした.5分間の発表でOHP5枚以内,という制限があるはずなのですが,英語に堪能なみなさんは早口でぺらぺらぺらと話し,OHPもよゆーで5枚以上ささっささっと使い,あまつさえ1枚の情報量が豊富,ということで,すっかり萎縮しきっておりました.なんつっても単純なペーパーなので,OHPは表紙含めて4枚,しかも1枚あたりの情報量も多くないし,早口の英語なんてとてもとても,ということでしたし.原稿は用意していたのですが,やっぱり緊張すると早口になるという副作用が功を奏したのか(?)残り1枚になった時点で2分近く残っておりました.「なんてこったい」と思ったので,「ええと,自分の研究は非常にシンプルなので次がもう最後のスライドなのであるよ」としゃべってみたところ,会場から笑いを取ってしまいました.なんでだろう.座長のKind先生が「残り1分」という札を見せてくれたときにはもう話すことはなくなってしまっておりました.うーむ.席に帰ると,Kind先生から「Thank you」と言われてしまいました.たしかにみんな5分なんて守れないよなあ.そのなかで4分で終わっちゃったペーパーっていったい…….
そのあと1時間のポスターセッションがあったのですが,自分のペーパーの前にあんまりじっとしているのもいたたまれなかったのでうろうろしていたら,フルペーパーがいつのまにかなくなっちゃっておりました.しまった.いればよかった…….
そのあともいくつかのセッションを見て,「ITとか受けないのかねえ」と思ったりしたあと,Gala dinnerに行きました.City hallを借り切ってDinnerだというのでいったいどうなっちゃうのであろうか,とびくびくしながら,Hiltonから送迎バスにのりました.さすがにボディチェックとIDチェックが行われているようで,ホールの前には列ができていたのですが,そのなかにProgram committee chairが混じっていたのにはやや驚きました.なかに入ってみると,立派なホールで,うろうろしてみるとみんなてんでに飲み物を飲み,食べ物をぱくついていておりました.開会の挨拶みたいなものがあるのかなあとおもっていたのですがそうでもないので,さっそく出ていた料理をぱくぱくと食べました.もちろん「カリフォルニアロール」もありましたし,みんな箸で食べてました.あたりまえですね.ローストビーフもおいしかったし,ワインやジンもなかなかでやんした.尊敬するO先生を発見したので,秘書のAくんともどもバカ話をしていたら,K先生にばったり会ったり,やや恐れているR大学のK氏に出くわしたりしました.このとき,僕の私淑するOくんは明日の発表に備えてアメリカン・ジョークを考えていたようですが,うかつなことはここには書けません.なんにせよ食べ放題飲み放題に近く,がつがつと食べていたのですが,友人宅に泊まっている関係上,10時ごろにはお暇しました.後で聞いたところによると,12時くらいまでディナーは続いたらしく,あれだけあった食べ物がなくなっていたそうです.おそるべしiHEA.