ヘレンの日記
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1ヶ月に、たった2回しかない ヌガラでのジェゴグの演奏会の日。 ピックアップの場所にむかい、車に乗り込む。 ウブド村経由で、もう1人の日本人を乗せる。
その女性はなんとバリ、ジェゴグのリピーター。 車の後部座席で、いろんなことを話してくれる。 バリの開拓直後から今にいたるまで。 現地人の金銭感覚。そしてバリ人の宗教観まで。
そしてヌガラに到着! なんと一緒に来た女性はコンサートマスターに 「久し振り。元気にしてた?」と話しかけている。 横に居たこともあり、私にも握手をしてくれる。 今年の日本公演でも、東京で2千人の人が集まった コンサート。それほど有名な楽団である。
そのコンサートマスターや演奏者と、笑いながら 話すこの女性、やはりただ者ではない! 彼女の粋な計らいで、近所を散策。 偶然にも「ヌガラ織」製作中の様子を見れる。 私は本当に周りの人に恵まれてる。
ここヌガラの講演は、ただのコンサートとは違う。 ワークショップも兼ねているので、一緒に踊ったり 演奏したり、聴く時も楽器の真下に入って聞ける。 まさに体験型のワークショップ!
書き遅れたが「ジェゴグ」とは バリ音階の木琴(ガムラン) の一番大きなサイズの楽器。
ガムランと共鳴し、ジェゴグは素敵な音色を響かせる。 実は私、中学校で吹奏楽部、打楽器をやっていた。 木琴もマリンバも一応できる! だからガムランやジェゴグに強く興味を持った。
楽譜がない彼らは耳で聞き取り、音を合わせていく。 指揮者も表向きはいない。 しかし良く見てると、前列の真ん中にいる コンサートマスターの手足、腰の動きが合図。 見るべき所では、しっかりと視線が集中し、 見事に息があっている。
完全にメロディが体に入っており、見事な演奏。 若い世代と、おじいちゃん世代、そして孫世代がいる。 今日は特別、孫たちも参加。
通常なら若い世代とおじいちゃん世代の掛け合い。 それがジェゴグ。若い人が演奏してる時には、 おじいちゃんたちは休憩。その間の休み方が笑える。
舞台から降りて、別の場所に行く人あり、 隣の人と大声で笑ってる人あり、 観客に話しかける人あり、様々。 コンサート中なんだよ!日本の感覚ではあり得ない。 でも自分の出番は真剣! こそインドネシア人らしさ!
お言葉に甘え、木琴やジェゴグの下に入って聞く。 管の真下が一番、音が聞こえるしさ。素敵な音色。
第2部のワークショップでは、マレットを持ち 一緒に踊ったり、実際にガムランを叩く。 「うまい、うまい」と誉められ、なんと私は コンサートの最終曲まで一緒に参加させてもらう。 (本当は、混ざっちゃいけないとこだったけど) 「上手だから良いよ」と横にいたおっちゃんがフォロして くれた!! 久し振りに味わう演奏の喜びに大感動! コンサートは野外、荒野で行われた。
そして帰途につく。なんと演奏者がドライバーを 兼ねていた。彼は、もうすでに眠くなってきてる。 そりゃ、片道約3時間半の往復に演奏じゃ激務。
ドライバーを寝かさないように、面白い話をしよう! と私たちは盛り上げる。そのためインドネシア語の 会話が飛び交う。最初は何を言ってるのか不明だったが。
いくつかのキーワードの意味を把握すると、何度も その言葉が出てくる。そして、注意して聞いてると 語順に並びから文法を見出し始めた。
そして20分もしないうちに、なんとなく何を話してるか 予測がつくようになった。さすが「世界で2番目に楽」 との異名を取るインドネシア語。簡潔である。
話題は「女」プルンパ。「男」ラキラキ。 特に日本での講演、東京の話になる。魚好きの彼。 気づくと話は「女体盛り」へと。
そんな我々の努力もあり無事に、ホテルに近づく。 まずウブド村の女性から送迎される。 彼女が車を降りた後、「インドネシア語で、すみません」 とガイドに言われた私は「ティダ アパ アパ 大丈夫」 と答えてた。そして続けてインドネシア語を習う。
30分間のレッスンの間で異常に上達した私に彼は驚く。 車を降りる時に私は彼に「スラマ ティドール お休み」 と言っていた程である。時計は真夜中を指していた。 今日も楽しい一日でした!
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