昔、茶碗を割って、がっかりしていたあたしに、母は言った。
「形あるものは全ていつかは壊れる」
それはあたしの失敗をフォローするための言葉に過ぎなかったのかもしれないけれど。
変化しないものはない。
同じところに留まることも、同じ形であり続けることも。
神様は信じないけれど。
物事は全て起こるべくして起きている、とあたしは思う。
何かに気付くため、何かを得るため、何かを失うため。
ひとつひとつは全く関係のないことのように思えて、実はそこへ辿り着くまでの行程のひとつであったり、きっかけに過ぎなかったり。
渦中にいる間は、全くその意味がつかめないから、どうして今なのか、わからない。通り過ぎてみて初めて、その意味がわかってくる。
だから。
何事も遅すぎることも早すぎることもないのじゃないかな。
理由を問うことも、無意味なのじゃないかな。
辛さも苦しみも、全て甘受した先には何が待っているのだろう。
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