社員のK嬢はよく気が付き、さらに気がついたことは端から口に出し、その口調もきつく、さらには嫌味も含めたお小言が多いため、まるで姑のような意地の悪さで、一緒に仕事をする人はそれが嫌で辞めてしまったり、さらには体調を崩したり、と言うことが往々にしてある。
そんなK嬢が、足を怪我して当分出てこれないと言う。
業務上は非常に困ることになる。実質マネージャーの次に責任がある彼女がいなくなるとなると、残されたのはユタカ君。
相変わらずの要領の悪さと、思考回路が全くかみ合わないことで、彼が出勤してくるとあたしはたまらなく具合が悪くなる。
悪い人ではないんだけど、ただ、ちょっと女々しかったり、要領が悪かったり、常識がなかったり、ネガティブだったり、注意力が散漫だったりするだけで。
K嬢と一緒に仕事をしているバイトのI君、彼は先日仕事のやり方で彼女とぶつかったばかりで、彼女と組むことが相当のストレスになっているのは傍目から見ても明らかで、実際、辞めたいとこぼしていたらしい。
そんな彼も、K嬢が当分来れないらしい、と言う話を聞いて、
「足は無理するとあとあと大変なことになりますよ。ゆっくりしたほうがいいんじゃないですかね?」
もっともな心遣いを見せるが、その彼の表情にほっとしたものを感じたのは気のせいではないだろう。
あたしも直接の被害はあまり受けていないのだけど、結局彼女の愚痴やら、彼女に対する不満やら、間に入っていたばさまってばかりで、正直結構なストレスだったりしていたので、ちょっとほっとしていたりもする。
まあ、その分仕事が増えるのはちょっとしんどいのだけど。
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