ついにその日が来た。同じ年の友人の結婚式だ。
彼女に会うのは何年ぶりなのだろう。同じ職場で働いていたのはもう15年程前になる。
お互い転職して、それからもほそぼそと手紙やら電話やらで付き合ってきたが、娘が生まれたときにお祝いを持って来てくれた。息子のときにも来てくれたように思うのだが、記憶が定かではない。もし、来てくれていたとしたら、6年ぶりということになる。
その間、年に1度の年賀状のやり取りのみ、電話はお互い苦手で数えるほどもしていないくらい。
前日にメールすると、式で渡すお土産の準備をしているとか。なんでも席辞表やらなにやらを自分たちで作ったと言うのだから、大変だっただろう。
前夜激しく降った雨もすっかり上がって、風は強いものの良い天気に恵まれた式当日。式場は山下公園の近くだ。
夫に車で送ってもらったのだが、早く着きすぎてしまったので、のんびりとその辺をぶらついてから式場に入る。
会場の入口には二人の子どもの頃からの写真が飾られており、手作りでアットホームな感じが良い感じだ。
披露宴が始まり、入場してきた白無垢姿の友人を見て、胸が熱くなる。
こんな日がくるなんて、自分のことのように嬉しい。
お決まりの二人の子どもの頃からの写真のスライドが流れ、馴れ初めなぞを聞きながら食事を頂き、和やかに過ごす。
途中お色直しで、式の準備でストレス太りしてしまって着れるか心配だった、と言うドレスもとてもよく似合っていた。
思えば友人の結婚式に呼ばれるのはこれが最後じゃないだろうか?
そう思うとなおさら感無量になる。
披露宴もお開きになり、出口で挨拶をする際に、絶対に泣くもんか、と思っていたのに、こらえきれなくなって泣き出してしまった。
「ちくしょー!絶対泣かないって思ってたのにぃー!泣いちゃったじゃんよーぉ・・・」
友人と抱き合い涙を流す。
「そういえばうららんの結婚式のときあたし大泣きしたんだよねぇ」
「そのときのお返しだいッ!」
この年になるまで色々まわり道してやっと巡り合った人と末永く幸せに暮らしていってもらいたいと心から思った。
あたしのマイは非通知です。