その昔、そんなタイトルのドラマがあったけど。
今日は娘の誕生日だ。10歳。2分の1成人などとも言われる年齢だ。
過ぎてしまえば、10年なんてあっという間の出来事で、子どもと過ごしてきた10年は長いようで短い気もする。
赤ん坊のときの慌しくはあるが、まるで時が止まってしまったかのようなのんびりとした時間も、今となっては遠い昔のことのようだ。
10年前の今ごろ、あたしは分娩室で引きずり込まれるような睡魔と闘いながら、時折くるかすかな陣痛とともに赤ん坊が出てくるのを待っていた。
お願いだから早く出てきて。
とてもとても眠いの。寒くて眠くてもういきむ力も残っていない。
破水から始まったお産は微弱陣痛でなかなか進まず、途中促進剤を使っても一向に生まれてくる気配がなかった。
促進剤のせいか、意識を失いかけるほどの睡魔に襲われ、疲れ果てていたあたしはとにかく早く休みたいと、そればかりを考えていた。
「もう少しだから、がんばって!」
これで生まれなければ、もうあたしには体力は残っていない。お願いだから出てきて!
最後の力を振り絞っていきんだら、やっと娘は出てきてくれた。
生まれた赤ん坊は黄疸がひどくてすぐに保育器に入れられてしまった。
特に問題もなく、退院はできたものの、なかなか大きくならず、心配で心配でたまらなかった。
母乳だけでは足らず、ミルクも大量に飲み、飲みすぎて吐く、を繰り返し、どこか悪いんだろうか、と言うくらいの吐きっぷりで、育児書と首っ引き状態だった。
離乳食が始まったらあっという間に大きくなり始め、何にも心配は要らなくなった。
それでも、明日の朝目覚めたら死んでいたりしないだろうか?と心配で満1歳を無事迎えた時には
「無事に育ってくれてありがとう」
と感謝の気持ちでいっぱいだった。
それは2歳になっても3歳になっても変わらず、大病をすることもなく、すくすくと育ったことに感謝した。
毎年、誕生日を迎えるとまた1年無事に過ごせた、とほっと胸をなでおろす。
そしてまた、これからの1年も無事に過ごせることを願うのがあたしにとっての子どもの誕生日への想いだ。
今年は10歳、と言うこともあって、生まれて初めてのお誕生会をすることにした。
招待する友達を選ぶのも招待状を作るのも当日のスケジュールも全て娘に任せ、あたしはケーキを焼き、お菓子とジュースを用意する。
あとは笑顔で迎えれば完璧でしょう?
結婚しての10年間なんかより、生まれた時からずっと一緒の10年だもの、その重さは全然違うのは仕方ないよね。
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