たまに××したり。
INDEXこれまで。それから。


2003年05月31日(土) 身も蓋もない。

ユタカ君が売り場に来てもう1ヶ月になる。
期待の新人とか言われ、態度もでかいため自信たっぷりに見え、大物かも、と言う錯覚に襲われたが、それは期待はずれであることがわかりつつある今日この頃。

何せ、ゆーじくんの担当を引き継いだわけであるから、かなりのプレッシャーであるのは間違いない。

「昨日も仕事の夢見ちゃいましたよ」

なんていう言葉を聞くと、

「まあ!初々しい!」

なあんて思っていたあたしではあったが、その仕事振りたるや、いくら新人で余裕がないにしても、あまりにもいっぱいいっぱいで、ひとつ言われるとひとつ忘れる、そのぼけっぷりはいかんともしがたく。
天井からつってあるPOPが取れかかっているので、脚立を持って来て取り付けるようにYさんに頼まれ、

「はい!分かりました」

と元気のよい返事をしたものの、その直後、広告商品の在庫を調べ、販売計画についてマネージャーと話しているうちにすっかり忘れてしまったようで、外れたPOPはそのまま。
それに気付いたマネージャーが、

「ユタカ君、脚立持って来て、つけといてくれる?」

と指示をし、

「はい!分かりました」

とまた元気よく返事をし、バックルームに行ったと思ったら、5分経っても10分経っても戻ってこない。

「ユタカはどうしたのかなー?」

マネージャーがしびれを切らし始めた所にやっと戻ってきたユタカ君。
手ぶらである。

「ユタカ君?脚立は?」

「はッ!すいません!忘れました」

大急ぎで脚立を取りに戻る。

「あいつはゆーじの二の舞だな」

マネージャーがつぶやく。

「うーん…そうですか?まあ、余裕がなくていっぱいいっぱいなのは感じますけど」

一応フォローしてみたあたしではあるが確かにゆーじくん以上のぼけっぷりだ。

「余裕がないとかそう言うこと以前に、あれは性格だな」

「・・・と言いますと、今後変わることはない、と?」

「ですな」

そんな身も蓋もない。

そうは言ってもあれだけ気の利かないみぽりんが、1年経ってそれなりに気が利くようになったことを思えば、まだ、先は分からない、と思いたいあたしではある。

頼むよ、ユタカ君。

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うらら |あばら家足跡恋文

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