日々雑感
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植物に埋もれそうになっている家が好きだ。やがて木々や草といっしょに朽ちてゆきそうな気配がする建物。
夕方用事を済ませたあと、いつもとは違う道を帰ろうと思い、迷う。路地を奥へと進んでゆくたびに、そんな家が何軒も現れた。たいてい、何本かの大きな木が周りを囲んでおり、ときには蔦がびっしりと絡まっている。合間に辛うじて木枠の窓がのぞき、ぼんやりと部屋の中の灯りが透けて見えることも。そこだけ時間の流れが違っているようで、あの窓の向うから見えるこちら側はどんな感じだろうといつも思う。
冬の夕日はどこまでも届く。忘年会だろうか、居酒屋へと入ってゆく大勢の人たちとすれ違いながら、暗くなった頃、無事に家に着いた。
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