日々雑感
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2004年12月07日(火) 瀬戸内海

いつも行く銭湯には壁いっぱいに瀬戸内海の絵が描かれている。どうしてなのかはわからないが、下のほうに白い文字で「瀬戸内海」と書かれているので、確かにそうなのだろう。うらうらとした春の日らしき海だ。空はうすい水色、水平線近くには白い雲が流れ、帆掛け舟が何隻か浮かんでいる。それにいくつもの島々。

飛行機や電車であのあたりを通り過ぎたことは何度かあるけれども、しっかりと瀬戸内海を眺めたのは、広島へ行ったときの一度きりだ。よく晴れた秋の夕方、尾道の坂の上から淡く暮れてゆく島影を見て、見たことのない海だ、と思った。自分がそれまで知っていた日本海はもっと黒々としていた。色も光も違う。

この銭湯、いつも浴室には音楽がかかっている。それも決まって、「古きよき」という枕詞が似合いそうな洋楽である。お湯につかり、瀬戸内海を眺めつつ「マイ・ウェイ」のサビの部分などを聞いていると、気分が盛り上がってきてなかなかよろしい。瀬戸内海には短調ではなく長調の曲が似合うと勝手に思っている。

今日は「テネシー・ワルツ」が流れる。合わせて、誰かが低い声で歌っている。


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